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プジョー 207 エンジン不調 インジェクター不良は誤診でした(ABA-A75FW)

前回記事『プジョー 207 エンジン不調 (ABA-A75FW)』の続きです。

平成20年式 ABA-A75FW 5FW AL4 走行距離 70,000km

繰り返しになりますが、メールでご相談いただいた内容は以下の通りでした。


「ディーラーで3週間ほど見てもらっていたのですが、原因不明とのことで一旦戻ってきたプジョー207について、一度見ていただければと思いメールしました。走行中及びアイドリング中にエンジンが失火しているような激しいギクシャク感があります。テスターでは2気筒が異常ありと出たのですが、原因がわからないとのことでした。イグニッションコイルは問題無しとのことです。エンジン停止後も激しくファンが回っています。」

ご来店いただいた当日にお客様にお付き合い頂き診断した結果、インジェクターの噴射不良(過濃)である可能性が高いという推察で、1本だけ新品に交換してみようということになりました。こちらが用意したフューエルインジェクタ。

多くの場合、Oリングの固着で取り外すのに苦労するフューエルデリバリー。取り外し時、部品破損を伴うこともあります。今回も例に漏れず、大変苦労しました。部品の破損は回避できホッと安堵します。

消去法で推測した故障見込みの部品、1番シリンダのインジェクタを交換してエンジン始動します。エンジン警告灯は点灯したまま。そしてマルチインフォメーションディスプレイにも”Depollution system faulty”の警告表示が出ます。

クーリングファンがけたたましく回るフェイルセーフモードです。コンピューターのリセット操作が必要なのかもしれません。PP2000を再接続。

エンジンコントロールコンピューターのフォルトクリアのメニューに進みます。

前回診断時にもフォルトのクリアを試みましたが、走行距離を入力する画面には移行しませんでした。部品交換後のエンジン始動で物理的に故障がなくなったことを検出したのでしょうか。

手順通りクリア完了。

エンジン再始動して無事エンジン警告灯が消灯したのを確認。

もちろんクーリングファンの動作も正常になり、エンジン回転も快調です。約30kmの市街地、山坂道の試運転結果も良好。追加でご用命のスパークプラグの交換を済ませ、お客様に一旦お返しすることにしましょう。

しかし翌日、インジェクタ不良にどうも釈然としない感覚があり、高速試運転すると症状が再発。その後の調査で原因ははっきりしました。

次回『プジョー 207 エンジン不調 本当の原因は… (ABA-A75FW)』に続く。