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プジョー 207 エンジン不調 本当の原因は… (ABA-A75FW)

前回記事『プジョー 207 エンジン不調 インジェクター不良は誤診でした(ABA-A75FW)』の続きです。

消去法で進めたプジョー207のエンジン不調診断。決定的な理由のないままフューエルインジェクタ不良の可能性を頼りに不調の出ている1番シリンダのインジェクタを交換。

僕は普段、30kmもの距離を試運転することは少ないのですが、市街地、山坂道と時間をかけて念入りに試運転しました。全く不調が出ないので治ったものと判断しましたが、なんだか釈然としません。翌日になって高速道も運転してみようと思いました。

平成20年式 ABA-A75FW 5FW AL4 走行距離 70,000km


昨日はなかった運転条件、3速1500rpmを少し切る低回転域からアクセルと踏み込むとエンジンがガタガタと不調になり、エンジン警告灯と”Depollution system faulty”の表示が「ピー」という警報と共に現れました。

やっぱり… インジェクタ不良の可能性が否定されました。さらに店に戻る途中、市街地でもマニュアルモードで1500rpmを切る回転域からアクセルを踏み込んで高負荷運転すると不調が出てクーリングファンが全開になるフェイルセーフモードに移行することがわかりました。そして信号待ちなどで一旦イグニッションをOFFすると、フェイルセーフモードから通常モードに戻ります。

イグニッションコイルの不調をもう一度診断しようと思います。フォルトは同じく1番シリンダのミスファイヤ。

クリアした後、1番と4番のイグニッションコイルを入替え、マニュアルモードで1500rpmからアクセルを踏み込み症状を積極的に出します。

すると以下の診断画面。ミスファイヤが4番に移動しました。

不調の原因は、1番に装着されていたイグニッションコイルで間違いないでしょう。エンジン警告灯は点灯したままですが、イグニッションコイル不調はほんの限られた条件下で一時的に出るようで、PP2000の”Permanent fault”という文言には語弊があると感じます。この場合は”Intermittent fault”と表示すべきですね。

前回の僕のイグニッションコイルではないと判断した理由は、”Permanent fault, Misfire on cylinder 1 “ がコイルの入替で移動しなかったことでした。この診断のときアイドリング及び空ぶかしで診断していました。要するに入替え後にフォルトが立つ条件を満たしてなかったのです。

フォルトをクリアしないまま、もう一度1番に戻し試運転、さらに2番に装着して試運転、途中で燃料残量警告が出た影響か余計なフォルト(シリンダ特定できないミスファイヤ、燃料残量少時ミスファイヤ)も立っていますが、ミスファイヤのフォルト、1番、2番が追加されます。悪いコイルは1つなのに”Permanent fault”が3つ。診断機の結果は参考にとどめるくらいの余裕が必要ですね。

遠回りしましたが無事原因が究明でき安心しました。お客様にはご説明申し上げ、経緯をご理解いただきました。心より感謝申し上げます。スパークプラグ、イグニッションコイルを交換しますので今しばらくお待ちください。

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