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三菱ランサーワゴン エンジン不調(LA-CS5W GDI, No.1シリンダ失火)

半年ほど前、アイドリング不調とエンストの症状でご相談を受けましたランサーワゴンです。

平成15年式 LA-CS5W 4G93 GDI CVT 走行距離183,000km。

ガソリンスタンドや近所の整備工場で相談されたところ、高額な修理提案の割に直る見込みも不明で、車検は通すだけの最低限にしたそうです。僕は、地域最安値のガソリンを注入されていることを伺い、平均的な価格のハイオクガソリンを注入するようにおねがいしたところ、この半年間、調子は完全とはいえないものの、エンストすることはなく過ごされたとのこと。


ところが昨日、状態は悪化。エンジン警告灯の点灯があり、停車時もアクセルペダルを離すとエンストするとおっしゃいます。

エンジンオイルの減少も著しく、この半年間は2000km未満の走行でエンジンオイル油圧警告灯が点灯するのだそうです。それは、エンジンオイルがほとんど残っていない状態です。外部には漏れ出た形跡はなく、エンジン内部で消費しているのでしょう。

状態のよい中古エンジンへの換装が最も安価に正常復帰する手立てですが、費用は相応に必要です。今年春以降、お車は特に必要では無くなるとのことで、応急的に延命する処置がないものか探ることにしました。

まずは、G-Scanを接続して、エンジン警告灯点灯の理由を調べます。

No.1シリンダ失火との表示結果です。

まずは、点火系の部品不良を疑い、同じものが4つずつ備わるイグニッションコイルとスパークプラグの入替え点検を実施。イグニッションコイルの機能は保たれており、No.1シリンダに装着されていたスパークプラグの点火不良であることがわかりました。

次に不調のあったNo.1シリンダの圧縮圧力を差動リークテスタで調べます。2つの圧力ゲージの有意差がなく、シリンダ気密は比較的良好な結果です。

消耗品であるスパークプラグは長い間交換された形跡がなく、中心電極の消耗が激しかったので4本共、純正品に交換しました。

そして、エンジンキーを力いっぱい捻らないとスターターが回らなかった症状も併発していましたので、イグニッションキースイッチも交換しました(新旧でマイナーチェンジが行われているようです。白:新、黒:旧)。

新品のスパークプラグ装着で、エンジンの調子はエンストのない状態まで回復しました。しかし、アイドリング時にマフラーから出る排気ガスは黒く、オイルの焼けた臭いが鼻を突きます。何とか春までエンジンオイルの補充で走破してほしいと願いを掛けてオーナー様にお渡ししました。

しかし数日後、願い空しく調子は悪化。幸いエンジン警告灯の点灯はないようです。ご帰宅直前に調子は一旦戻ったそうですが、僕が想像しているより多くのエンジンオイルがNo.1シリンダに浸入しているのでしょう。

オイルの飛沫がスパークプラグ先端に付着し、燃焼を妨げているのですが、安全のためにご使用をお控えいただくことをお伝えしました。

他所で高額な修理(GDIの高圧燃料噴射装置の交換を勧められたそうです。)をしなくてよかった反面、せっかくお声掛けいただいたのに十分お役に立てなかったことを非常に申し訳なく思います。今後何かお手伝いできることがありましたら、遠慮なくご相談いただけると嬉しいです。

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ITS