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ショップデモカーは市街地で本当に快適か? 三菱 ランサーエボリューションX(ランエボ10)ストリート仕様 サスペンションの改善

いわゆるショップデモカーをご購入されたお客様。乗り換え直後の不慣れではなく、市街地走行に違和感を感じてご相談にお見えになりました。

4年前、お客様は、足回り・乗り心地の違和感を改善したスバル インプレッサ GDBをご経験済みでしたから、こちらのランエボが不快だったに違いありません。

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平成21年式 CBA-CZ4A 4B11 SST 走行距離52,000km


若干車高が低く、キャンバー角がネガティブに振りすぎのフロントサスペンションは、フェンダーアーチの隙間から市販の安価な車高調整式であることが判りました。

納車時にノーマルの車高に調整したと説明を受けられたそうですが、少しテストドライブすると明らかにサスペンションストローク不足とショックアブソーバの減衰不足を感じ、さらにはネガティブに振られたフロントキャンバー角がステアリングを切り込む際の接地感のなさと、不連続な手応えをもたらし、安定とは程遠い仕様になっていました。

インターネットオークションなどで、ほとんど使用していないノーマルのサスペンションが、きっと簡単に見つかるはずですと、お客様に手配をお願いし、手元に到着したKYB製のストラットASSYは、新品同様でほぼ走行していない状態のものでした。

フロントには倒立式のショックアブソーバが奢られていて、それは三菱の本気でしょう。車高調整式と比べるとノーマルのほうが全長が長く、たっぷりとした余裕です。

リア側の車高調整式のコイルスプリングの下には極端にバネ定数の小さそうな「ヘルパースプリング」と称するコイルばねが直列に装着されています。車重が加わると完全に線間密着してスプリングの機能はなく、そしてサスペンションが伸びていく過程では、メインのコイルばねとの硬さが違いすぎて、いかにもギクシャク動きそうですが、ストロークを確保して乗り心地をよくする狙いがあるなら、優秀なノーマルが十分で最高だと思います。

このグレードに標準で装着されていると思われる黄色いショックと赤いコイルスプリングに車高調と似たような臭いを感じ、あえてKYBの黒いストラットをチョイスしました。

どこか空転感のあった落ち着きのない車体は、秀逸なノーマルのKYBを得、四輪でしっかりと路面を捉えて、300馬力の猛烈なパワーを確実に伝えます。それは結果としてすごく落ち着きのあるハンドリングになり、そんな大パワー車を駆っていることを忘れます。

特殊な能力の自動車は操りにくいジャジャ馬ですか?現代のプレミアムスポーツの標準は、想像以上に高次元でバランスされた仕様なのです。

↓競技用にセットされたサスペンションパーツは、概ねこのような価格帯~以上です。

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