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プジョー206CC オープンルーフ及びパワーウインド修理

油圧シリンダーからの作動油漏れでオープンルーフ動作不良に陥ったプジョー206CCの修理を承りました。
初めて修理する機構です。お客様にはいろいろなご協力とご理解をいただき、さらにご準備をお願いして作業に取り掛かることになりました。作業時間の予想ができないのが最大の難所です。


まずはリアクオータガラス開閉不良の修理。206CCは、屋根を開ける動作を選択すると、まず4枚のウインドガラスが下がります。

右リアのクオータガラスが下がったままになっていましたので、釣瓶式レギュレータの不良でしょう。多くの同機構の不調は、ワイヤーケーブルの断線ではなく、樹脂パーツの破損が原因していることがほとんどです。

お客様は、海外で販売されているリペアキットを入手されましたので、修理に挑戦することにしました。一般的にはレギュレータ(と場合によってはモーター)の組み立て品の供給形態になると思います。

リアシートの座面と背もたれ、そして側面の内張りを取り外すと、狭いスペースに押し込まれれたパワーウインド機構が現れます。

ワイヤーが絡まって動作ができなくなっていましたので、モーターに直接通電してリールに巻きついたワイヤーを緩めつつ、ウインドガラスを一番上げた状態に保持します。この状態にしないとレギュレータとガラスを締結している3箇所のナットに工具がアプローチできないからです。

内部にガラスを残したまま、レギュレータ機構を取り出します。狭いスペースで取り外しの角度や方向に制限があります。

赤丸で囲った部分が破損部位の樹脂パーツです。

ワイヤーの端を固定する部位が欠けて保持できなくなり、緩んだワイヤーがモーターリールに絡んでいました。

ワイヤーが外れて元の状態がわかりませんので、Webサーチで参考情報を得ながら組み立てていきます。

リペアキットに含まれる部品には不適切なサイズのものがありましたので、部分的に元の部品を移植して組み立てました。
そして動作確認。

元通り組み込みます。

ウインドガラスの建てつけ調整に工夫が必要です。手順は簡単にWebサーチで入手できました。情報収集が本当に便利な時代になりました。

次回『クーペからカブリオレへ ~自動格納式オープンルーフの修理(プジョー206CC)~』に続く。

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