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走行中に突然エンスト!再始動不能になったサンバー(KV3 スバル サンバー)

高温・高湿度の時期はクルマのトラブルが多発します。

走行中に突然エンジンが停止し、再始動ができなくなったと連絡が入り、レッカー搬送されてきたのはスバル サンバーです。

平成9年式 V-KV3 EN07(NA) 5MT 走行距離 148,000km


燃料噴射装置はキャブレータ式。近い車台番号で、過去に燃料ポンプのリコールが出ていましたが、こちらのお車は非該当。

順に点検を進めていきます。

まず目に留まったのは、イグニッションキーON時にメーターパネルの警告表示が少なかったこと。

足元のヒューズボックスを点検すると「エンジン」と書かれた15Aのヒューズが溶断していました。

すぐに切れるかもしれませんが、新しいヒューズを装着して再度イグニッションON。

消えていた充電警告灯と排気温警告灯が点灯し、スターターを回してみるとエンジンが問題なく掛かります。疑わしく思った燃料ポンプは、電源供給がなかっただけのようです。

ところが、しばらくすると予兆なくエンジンが停止。やはり15Aヒューズが飛びます。

エンジンを掛けずにイグニッションONで様子を見ます。

しばらくするとメーターパネルの警告灯がちらつき始めました。そしてヒューズが飛びます。

新しいヒューズを入れ、しばらくするとまた切れる。それを数回繰り返していると、警告表示がパッと明るくなり、もうヒューズ溶断は起こらなくなりました。

一時的に回復したのかと思い、スターターを回してエンジン始動すると極端に始動性が悪くなっていました。そして、これが決め手になりました。

こちらのキャブレータはソレノイド2つで電子制御されています。一つはエアベンチレーション、もう一つはフューエルリミットのものと思います。Webで検索すると幾例も同様のトラブル事例が出てきますので間違いないでしょう。

↓Amazonで純正部品が買えるようです

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計測するとエアベンチレーションソレノイドの方が抵抗値無限大(断線)でした。始動不良の原因です。断線直前は内部でショート(短絡)していたのではないでしょうか。

新品の抵抗値は22Ω。

Webの事例ではフューエルリミットのソレノイドも同程度に不調があるようでしたので、今回同時に交換しました。

ソレノイドは2つともキャブレータを取り外すことなく、とても簡単に交換できます。国産車の整備性の良さを実感します。

エンジンの調子を見ていて気になったアクセルペダルの若干の引っ掛かりは、アクセルワイヤーの「ホツれ」でした。

さらにLLCの漏れも2箇所見つかり、いろいろと大事に至る前に処置できてホッと胸を撫でおろしました。

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