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中古車選びとクーラント(三菱 パジェロミニ E-H56A 4A30)

約7か月前、中古車購入のご相談がありました。

2年未満の短期間使用で、費用はできるだけ抑えたいとのこと。パジェロミニという車種に絞ってお探しでしたが、同車種は平成6年式~という低年式です。


ラッシュアジャスターの冷間時異音(カタカタ音)、オートマチックトランスミッションの滑りや変速不良、ターボチャージャー不調…

中でも特にチェックしたいのがクーラント経路の腐食でしょう。

4A30エンジンは、鋳鉄シリンダブロックです。クーラント管理の行き届いていない個体は水路内部の腐食が著しく、部分的な処置では手に負えないほど劣化が進行していることがあります。

お客様は、Web掲載されている中古車から候補を絞り、チェックポイントを確認に赴かれましたが、すでに暖気状態でラッシュアジャスターの状態は確認できず、ラジエーターキャップも開けられず、短距離の走行テストのみだったそうです。

そして、クーラント系に不安を残したままご購入されたパジェロミニは、その後クーラント減少の症状が徐々に悪化していきました。

平成7年式 E-H56A 4A30ターボ AT 4WD 走行距離 85,000km

最初はクーラントに注入するケミカルで漏れの進行を遅らせていましたが、ついにその効果も切れたようです。

エンジンの下側を見ると、ウォーターポンプ付近からグリーンのクーラント漏れが確認できました。

タイミングベルトカバー奥に配置されるウォーターポンプですから、タイミングベルトも同時に交換します。

ウォーターポンプの接合面は液体ガスケット。ペースト状の液体ガスケットがシッカリ密着するように位置決めのスタッドを立てます。

カムシャフトやクランクシャフト、オイルポンプ中心のオイルシール類も硬化してエンジンオイルのにじみが見られましたのでこちらも交換します。特にカムシャフトシールのリップ部は放射状の亀裂がたくさん入っていました。

ラジエーター外側の埃の堆積も除去。

クーラント経路内部は、ご覧のように赤錆色でした。

アルミのジョイントはまだ綺麗でしたが、スチールのジョイントは腐食が進行していました。

もちろんこの年式の軽自動車でクーラント管理が行き届いた車両は稀です。今後もクーラント量の日常点検は欠かせないと思います。短期間にはなりますが、ご使用される間の好調をお祈り申し上げます。

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