油脂類のメンテナンスでお預かりしたマツダ ロードスターです。
平成26年式 DBA-NCEC LF-VE 6MT 走行距離 13,000km
僕が運転免許を取得した年、初代NAロードスターの発売が開始されました。
クローズドボディでも当て板やスポット溶接の打ち増しなどでボディを補強しないとモータースポーツで使い物にならなかった車両が主流だった時代です。いくらメーカーが考えて補強したと聞いてもオープンボディの自動車に当時はあまり興味がありませんでした。
そしてその後、NAロードスターのハンドルを握る機会で体感した印象も当初と変わりませんでした。当時、競技車両のボディはやはり硬かったので、NAロードスターの、特にフロアーパネルの頼りなさを、ハンドルを切るたび、段差を通過するたびストレスに感じたものです。
そんな印象は、今回、第3世代のNCロードスターの試運転で一変しました。
他の自動車もそうですが、2000年を過ぎた頃以降の新型車のボディは各種ハイテンションスチールを使用して、かつてガチガチに補強していたモータースポーツ用車両よりも硬くしなやかなものに仕上がっています。
何度も申し上げていますが、標準で装着されていないストラットタワーバーや、ブレースバーなど補強材の追加は、むしろボディの適度なしなりを阻害してしまうでしょう。
現在のモータースポーツ車両のボディ補強の詳細は承知していませんが、いろいろな自動車に触れる日常で、このままデフとショックとタイヤだけ変更して競技に出られるなと思うモデルがすごくたくさんあるのは事実です。
RX-8とプラットフォーム基本構造を共通するNCロードスターもそうでした。
オープンルーフを忘れるくらい硬くしなやかなボディは、初代から採用されている本格的なダブルウイッシュボーンの前後サスペンションの動きを生かします。
ホイールベース内にできるだけ重量物を配置したり、
PPF(パワープラントフレーム)と称するトランスミッションとデフを連結する分厚いアルミニウムの補強材を組むことも初代から続く構造ですが、良いボディのおかげで、アクセルを踏む右足の裏が路面に直接触れているように錯覚します。
こんな本格スポーツカーが手に入る現在のNCロードスターの中古車価格は、極めて低廉といえるでしょう。