カテゴリ: メンテナンス一般

自動車用シートへのこだわり(その3) ~レカロで正しいドライビングポジションを~

連日のように報道される自動車のブレーキとアクセルの踏み間違え事故。

実は20歳台の若年層に多いとの統計があり、高齢者に多いイメージを報道に印象付けられているのかもしれません。


クルマの変速機がマニュアル(MT)の場合、クラッチペダルとの協調操作をするため、慌てて踏み間違えたとしても暴走事故はかなりの確率で回避できると言われています。

極低速でブレーキを踏むときは必ずクラッチを踏み込みます。コンビニなどで駐車するときブレーキと間違ってアクセルを踏み込んだとしてもクラッチも踏み込んで動力が断絶されていればエンジン回転が上がるだけでクルマは暴走しません。マニュアルトランスミッション比率の高い欧州では、日本ほど踏み間違え事故が問題にされていない理由の一つでしょう。

だからといって、100%に近い比率でAT車が普及した我が国でMT車を復活させるのは現実的でありません。

こういう背景から、ドライバーの運転を支援・補助する新しい装置が、新型車が出るたび続々と搭載されるようになりました。

一方、運転するドライバー側はどうでしょう。

お客様からお預かりするクルマの運転席の状態は、ほとんど背もたれが寝ていて、ハンドルやペダル類が十分に操作ができない位置に調整されています。

運転席は決してリラックスする場所ではありません。

視界が十分確保でき、ハンドルやペダル類が的確に操作できる位置に調整することが基本で、文字通り運転姿勢を正すことが大切と考えています。

ノーマルシートの背もたれが一番立てても少し寝ていて、理想は、もう一段立てた姿勢で運転したい

スズキ ラパンにお乗りのお客様のご要望で、以前からレカロシートへの換装をご提案していました。

平成21年式 CBA-HE22S K6Aターボ CVT 走行距離 92,700km

すでにハンドルをナルディクラシックに換えてエアバッグレス化。30mmスペーサを介して前後位置を調整していました。

しかし、ラパンは背もたれ角度も然ることながら、ベンチシートの平らな座面で腰の落ち着き場所がなく、車の挙動が感じにくかったに違いありません。

クルマの安全は、ドライバーの正しい運転姿勢とトレーニングが大切とお考えのお客様は、今回レカロのSR-7をお選びになりました。

ノーマルシートを取り外し、

Bピラーなどに干渉することなく綺麗に収まったSR-7

擦り切れ予防のため、市販のカバーを装着しました。ノーマルの3点ベルト通しも付いて素材も確かな品質です。専用品なのでサイズもピッタリです。


Recaro(レカロ) RECARO;SR-7 KK100 BK 81-092.00.829-0

運転姿勢の基本は、カーシート専門メーカー、レカロの哲学

『立つように座る』

こと。

長距離トラックや路線バスなど、プロの運転手は背筋を伸ばして運転されていますよね。それは、長時間運転していて「疲れない」姿勢だからです。

二足歩行の人間は直立している時、背骨は真横から見ると綺麗なS字を描きます。

二足歩行の人間にとって着座という姿勢は「不自然」なので、背骨のS時を保ったまま座るのが、もっとも安定して疲れないという考え方です。

レカロに身を沈めると、腰回り全方位に今まで気づかなかったクルマの挙動を感じると思います。

加速、減速、旋回、そしてサスペンションの微細な動きまで。

しばらくお乗りになられてから、必要に応じて微調整させていただきます。装着後のご感想もお待ちしております。

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