前回記事『自動車用シートへのこだわり ~レカロで正しいドライビングポジションと腰痛対策~』の続きです。
新車から継続して拝見している初代ヴィッツ。
乗り心地の悪化と腰痛対策のご相談をお受けして、発注していたレカロがようやく手元に届きました。
平成15年式 UA-SCP10 1SZ-FE 5MT 走行距離 255,000km
今回のチョイスはレカロのエルゴメド。
かつて、いすゞジェミニや同アスカの特別仕様車に装備されていた名品LXと同一形状で、現行のLXと違い実質の後継モデルになります。
旧LXとの違いは、バックレストに内蔵されたインフレータブルのランバーサポートです。血圧計などに備わるものと同じ手動式のポンプ球を操作し、腰骨付近の膨らみを微調整。理想の運転姿勢を作ることができます。
運転姿勢の基本は、カーシート専門メーカー、レカロの哲学
『立つように座る』
こと。
長距離トラックや路線バスなど、プロの運転手は背筋を伸ばして運転されていますよね。それは、長時間運転していて「疲れない」姿勢だからです。
二足歩行の人間は直立している時、背骨は真横から見ると綺麗なS字を描きます。人間にとって「不自然な」姿勢である着座時は、背骨のS時を保ったまま座るのが、もっとも安定して疲れないという考え方です。
たくさんの部品に分割されたレカロ純正のシートレールは、組み立て調整に慎重を期しました。
ほんの少しの締め付け具合がスライドレールの円滑さに影響します。そして、前後それぞれ3段階に調整できる純正シートレールの適切な位置は、3度の着脱を経て決まりました。もちろん、実際にお客様にお座りいただいての調整になります。
試運転しますと、腰回り全方位に今まで気づかなかったクルマの挙動を感じます。加速、減速、旋回、そしてサスペンションの微細な動きまで。
走行中の揺動を受けながら腰が自然と良い位置に収まっていく様子は、まるでレカロが正しいドライビングポジションを案内しているようです。
クルマが変わってもレカロは簡単に移設できますし、補修パーツも豊富。通算100万キロ以上LXをお使いのお客様もいらっしゃいますから、とても経済的と言えるでしょう。
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