「車齢16年、走行距離9万キロになったので、そろそろタイミングベルトの交換をお願いします。」
と、車検整備と併せてご依頼がありましたのは、ダイハツ ミラ MT車です。
平成17年式 TA-L250S EF-SE 5MT 走行距離 90,000km
標準作業時間を調べると、他の同一メーカー車種と比較して長めの設定でした。その理由は、写真のように離脱部品が多めだからです。
軽自動車のエンジンルームの作業スペースは十分でないことが多いので、最初からこのくらい部品を取り外しておくほうが確実に作業が進みます。
ダイハツのEFエンジンには、シングルカムのEF-SEと、ツインカムのEF-VEがあります(ターボ付はEF-DET)。
こちらは比較的作業が簡単な、シングルカムのEF-SEです。
この年式のEF-SEは、タイミングベルトカバーが初期の樹脂製からアルミダイキャスト製に変わっていて、エンジンマウントブラケットを兼用した合理的な構造になっています。
タイミングベルトの奥に配置するウォーターポンプを同時に交換しますが、スタッドボルト回りのガスケット清掃が不十分になることを回避するため、一旦スタッドボルトは抜き取ります。
真新しい純正ウォーターポンプを装着し、カムやクランクのオイルシールも新調しました。
EFエンジンで気を付けることは、カムスプロケットの中心ボルトです。
EF-VE(VVT-i付)と共用のカムシャフト構造なのか、ボルトを抜き取るとカムシャフト内部のエンジンオイルが流出します。そして、中心のボルトはシール剤の再使用ができませんので、新品を都度用意します。
最後に一番気を遣うタイミングベルトテンショナーの張力調整です。
テンショナースプリングがあれば時間も手間もかからないのですが、こちらは、張力を与えながら、所定の場所の隙間を計測する方法で調整するようにサービスマニュアルの指示があります。
ツインカムのEF-VEは、テンショナースプリングのついたSSTを装着して調整できますので簡単ですが、所定の場所の計測が困難なEF-SEは、狭い場所で鏡を使用しながらの作業になります。
EFエンジン全般的に、指定の方法で張った新品のタイミングベルト張力は高めに感じます。
大きな問題にはならないと思いますが、適正なバルブタイミングのためには、可能な限りサービスマニュアルに沿った方法手順が望ましいでしょう。
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