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油温高すぎ!輸入車のエンジンオイルに化学合成油を選ぶ本当の理由(MOTUL 8100 X-cess 5W-40, アルファ159)

「え、120℃ですか?!」

ちょっとびっくりしました。アルファ159にお乗りのお客様が、高速走行時のエンジン油温が120℃に達するとおっしゃいます。油温計が標準で備わる自動車は少ないのですが、センターコンソール左端のそれは中央値が110℃。

隣の水温計の中央値が90℃ですから、エンジン冷却水温より20℃も高い値が標準なのでしょうか。(写真は冷却水温が90℃に達してほどない頃の油温計指示値。100℃に達しています。)


温度センサーの配置場所にもよりますが、120℃の油温はエンジンオイルにとって非常に過酷と思います。冷却水温より概ね10℃高くなるといわれるのが、エンジンオイルの温度です。

国産車の多くは水温が高くても100℃。サーモスタットの開弁温度は78℃~88℃が一般的です。したがいまして、エンジンオイルの温度は高くても110℃ということになります。

僕は、BMW E46の点検整備を思い出しました。サーモスタットの開弁温度が105℃と極めて高温で、常圧(大気圧)下での動作点検が難しく、200kPa加圧された水路に装着された状態で、上流下流に設置された水温センサーの出力変化で開弁状態をモニターする方法を採ります。

BMW E46には標準で油温計が備わっていませんが、アルファ159同様、定常的に120℃という油温環境でエンジンが駆動されていても不思議ではありません。

樹脂製の水路部品多用が脆弱なイメージのBMWですが、そもそも高温環境に晒されているのでは、樹脂製でなくても過酷でしょう。温度負荷は指数関数的に作用するのですから。

エンジンの高温駆動は、熱効率的にメリットがあるのかもしれませんが、高速走行を主体とするような空冷要素も併さないと、自動車への負担が大きすぎる印象があります。

もし油温が120℃に到達するのが本当なら、鉱物系のエンジンオイルでは全くの役不足。説明書に従った油種選択が必須と思います。

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