カテゴリ: アルファロメオ

完調への道しるべ(アルファロメオ 147 2.0TS セレスピード Selespeed タイミングベルト交換)

12ヶ月点検でお預かりしましたアルファ147です。

平成18年式 アルファ147 2.0 TwinSpark Selespeed 走行距離 27,000km

走行距離は2万キロ台と少ないのですが、車齢が9年となるため心配の要素を一つでも減らしたいとタイミングベルト交換のご依頼がありました。僕の以前の記事をご覧になられ、ご自身のアルファロメオがどのような調子なのか、適切な状態に関心をお持ちのご様子でした。

新車時からおそらく手を入れられていないバルブタイミングは適切なのでしょうか?整備前の状態で走行してみましたが、極端な不調は感じません。キビキビとよく回る直列4気筒です。

ダイヤルゲージで圧縮上死点を正確に出して、カムブロックとかテンプレートと呼ばれる特殊工具を所定の位置にセットします。

吸気側はカムブロックの中心にぴったりでした。

排気側はほんのわずか進みが見られますが、問題のない範囲でしょう。

タイミングベルト、バランサベルト、各テンショナー、プーリーを離脱。

合いマーク式で交換すると狂うと噂されるタイミングベルト。カムスプロケットの固定ボルトを緩めることなく新しいタイミングベルトを装着してみることにしました。

興味深い結果は、旧タイミングベルトとバルブタイミングは変わらず、排気側に同じく若干の進みが見られました。
タイミングベルト交換で調子が悪くなるエンジンは、そもそも合いマーク式もいい加減にされているのかもしれません。今までベルト1コマほどズレていた例もありました。

ほんの少しですが、排気側をカムブロック中心に調整。

旧タイミングベルト装着時のテンショナーインジケータは緩み側に移動しています。ベルトが馴染んでくると、このテンショナーの構造では概ね予想できる状態で異常ではありません。

そして、新しいタイミングベルトとテンショナーを装着し、10回転ほどクランクシャフトを回して初期なじみを与え、インジケータをぴたりと合わせます。整備要領書では2回転と書いていますが、初期なじみを考慮すると不十分だと思います。

クランクを回すためにプーリープラーを加工して装着しました。これがあると作業が非常に捗ります。

そして綺麗に組みあがったタイミングベルト。試運転が楽しみになってきました。

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ITS