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フィアット パンダ セレクタ 車検整備(E-141AKA)

フィアット パンダセレクタを車検整備でお預かりしました。

平成11年式 E-141AKA CVT 走行距離100,000km

比較的メンテナンスの行き届いた車両です。


今回の整備は

    タイミングベルト
    ウォーターポンプ
    ロアーアームボールジョイントブーツ
    マフラー補修
    スパークプラグ
    ファンベルト
    バルブカバーパッキン
    タイミングベルトカバー

の交換を行いました。

新品のタイミングベルトは気持ちがいいですね。

イタリア車のタイミングベルトは4万キロ交換とか3万キロ交換とか言われますが、その理由の一つとしてタイミングベルト自体の形状があります。下の写真はスズキキャリィのタイミングベルトとの比較です。

幅の広いほうがキャリィです。幅だけでなく、歯の密度や形状も違っていてパンダのものは頼り無さそうです。張りの調整もオートではありませんから定期的な微調整が必要と思います。

そして同時に交換するウォーターポンプ、

右の樹脂インペラのものがパンダのウォーターポンプです。(左の金属インペラのはキャリィ)
どうして熱が加わる部分に樹脂を使うのでしょうか???欧州車に使用されていることの多い樹脂インペラ。軸にクラックが入って、カラ回りし、オーバーヒートという事例があります。今回の補給部品も樹脂でした。定期交換は欠かせません。

次にボールジョイントに破れがあり、車検に通りません。

ところが、ブーツのみ、ジョイントのみの供給がありません。ハブASSYになります。今回はガタ、錆がありませんでしたので、社外品(大野ゴム製)で適切なサイズのダストブーツをチョイスして組み付けました。

足回りを分解し、再度組み直しましたところ、車の姿勢も整いました。国産車と違って、各部品供給方法や耐久性に違いがあって大変高額な修理費用になる場合が珍しいことではありません。ボールジョイントブーツのように少しの工夫でかなりの節約になることもあります。

最後に、修理可能であれば診て欲しいとご用命のあったカーステレオ。ボリュームのダウンができず、最大音量に固定されているとのこと。分解してみます。

できればフィアットロゴの入ったステレオを再生したいです。

写真ではわかりにくいですが、タクトスイッチが配置されたプリント基板の裏側にフラックスの腐食が見られましたので、細めのコテで半田の焼き直しを試みます。結果、無事純正オーディオが蘇りました

こちらのオーナー様は、24ヶ月点検整備後、ユーザー車検に挑戦されます。初めての車検コースはとても緊張すると思いますが、是非頑張って受験してきてください。

この度はご用命、誠にありがとうございました。

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