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トヨタ チェイサー エンスト&エンジンチェックランプ点灯(続き、E-JZX90)

JZX90 トヨタ チェイサーの続きです。

前回『トヨタ チェイサー エンスト&エンジンチェックランプ点灯(E-JZX90)

エンジンの始動はでき、アイドリングはするがアクセルを踏み込むとエンストする。また同時にエンジンチェックランプも点灯する。とのことで入庫いただきました。

平成5年式 E-JZX90 1JZ-GE 走行距離133,000km。

時々出る症状で、運良く店内で不具合の再現ができました。ところが、原因を探るためディストリビュータ内のクランク角センサー冷却のためにブレーキクリーナを吹きかけてから、全く不具合が再現しなくなりました。

過熱でピックアップコイルがレアショートしていると予想して冷却を試みましたが、不具合が出たときの抵抗値が基準内であったことから単純にシグナルロータかピックアップコイルの検知部に鉄粉のような検出を妨げる異物が付着していただけかもしれません。不具合が出たときにまず波形の確認をすべきでした。

しかし、汚れの付着は想像に過ぎません。クランク角センサーの不良が再発する可能性は十分ありますから交換します。

上が交換前のクランク角センサー出力波形、下が交換後。どちらもアイドリングの状態です。

次に2000rpmでの比較。上が交換前、下が交換後

波形やP-Pの値が若干違いますが、ECUへの入力波形としては問題ないレベルと思います(不具合出ていないのであたりまえですね)。

続いてECUの内部を確認しました。

写真右側の電解コンデンサーの足付近が黒っぽく変色しています。電解液が漏れつつあるようです。その他電解コンデンサと離れた部分にもパターンの変色が見られました。

電解コンデンサ全数取り替えたいですが、パターンを断線するほどひどいものではありませんでしたので、今回は軽く部分洗浄し、腐食の進行を抑えるつもりでクリアー塗装をしておきました。

ECUはセンターコンソール奥に配置してあります。

お客様には、コントロールユニットの状態があまり良いとはいえないこと、そして今後もエンジン制御に不調がでる可能性があることを説明申し上げ、一旦納車といたしました。

たった一つの小さな電解コンデンサの不調で車が動かなくなることがあることを再認識しました。

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