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突然マフラーから白煙が大量に(GF-HN11S スズキ Kei ターボチャージャー)

タービンブローは瞬く間でした。

法定12ヶ月点検を終えてお渡し直後、突然マフラーから大量の白煙が出るようになったとのご連絡。

平成12年式 GF-HN11S F6Aターボ 5MT 走行距離128,000km


お預かり時、ほんの少しのターボチャージャー異音を感じていましたが、エンジンは綺麗に加速するし、過給しても白煙の排出は見られず、エンジンオイルの著しい減少もなく、そのままの状態でお渡ししました。

故障予見の難しさを痛感します。

ターボチャージャーのコンプレッサー側ダクトを取り外して内部を見ると、軸中心のナットが外れて内部で暴れていた様子がわかります。

接続されていたインレットダクトのガスケットは欠損がありました。これはおそらく他所で行われたタイミングベルト交換時の不適切だと思います。

コンプレッサーホイールの綺麗な3次元流線形状は無残に削られていました。そして軸には大きなガタがありました。

ところで、僕はリビルトターボによい思い出がありません。装着後異音発生やしばらく走行後の白煙排出など。

ターボチャージャーは精密な機械ですからリビルトは難しいのではと考えていました。最近のリビルトはレベルが向上しているといいですね。

今回は状態のよい中古ターボを選定して装着します。

フロントバンパーを取り外した奥にターボチャージャーは配置されています。

一番の難所は融雪剤で腐食したボルト類の取り外し。今回はエキゾーストマニホールド上の遮熱版取付ボルトでした。

ボルト頂部をベルトサンダーで削り落として雌ねじを作ります。できるだけ小範囲の分解で作業を終了したいので、自作のスタッビドリルビットとアングルエアドリルで慎重に下穴加工します。

スパイラルタップが綺麗に入って、ネジ修正は無事完了しました。

故障したタービンが無事取り外せました。

タービン周りの部品。

詰まりが懸念されるオイルチューブや接続ホース類は新調します。

そして、組付けが完了し、石川島播磨重工業(IHI)のタービンは快調な過給音を奏でます。来年3月には融雪剤地域での使用を終えて京都市内にお戻りとのこと。調子が持続することをお祈り申し上げます。

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