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良くわからないというエンジン不調を調べてみた(その2、スズキ スイフト DBA-ZC11S M13A 5MT)

前回記事『良くわからないというエンジン不調を調べてみた(スズキ スイフト DBA-ZC11S M13A 5MT)』の続きです。

『低回転でアクセルをやや開けた時、息つきのような症状が出ています。』

平成18年式 DBA-ZC11S M13A 5MT 走行距離106,000km

という スズキ スイフト のエンジン不調は、目視点検で発見したプラグコード不良との因果関係はほとんどない様子です。


プラグコード交換後のテスト走行で、加速時の息つきを積極的に出すことができるようになりました。エンジン回転が1000rpm~1200rpmで平坦か上り坂で加速中、もしくはゼロ発進時のクラッチミートする瞬間などです。

点火不良の場合、不調が連続することが多いのですが、「ごくっ」と加速が一瞬途切れる感じで、燃料不足による失火の印象があります。

注入した燃料の不良も視野に、燃料系の調子の変化をみようと燃料添加剤を注入します。

↓すぐに体感できる良質の燃料添加剤です。レギュラーガソリンが一瞬でハイオクガソリンになるイメージです。

注入直後、さきほどまで頻発していた息つきは、完全に出なくなりました。

では、注入されていた燃料が良くなかったのでしょうか?

早速オーナー様に尋ねますと、ずっと一流ブランドのガソリンスタンドで、よほどの理由がない限り一カ所で給油されているとのこと。不調の前後で給油所に変化はありませんでした。

燃料は大丈夫と仮定し、燃料の質が向上したことで燃調の狂いを補ったと考えました。

下の写真はエアフロセンサー(左:新品)です。熱線(ホットワイヤー)式と呼ばれる現在主流の方式です。熱線に当たる空気が多いと温度が下がり電気抵抗が小さくなる性質を利用してエンジンに吸入される空気を計測するセンサーです。

他方式に比べてコンパクトで、正確な計測ができる反面、長期使用による熱線の汚損で特性が変化する欠点があります。

特性が変化しても、断線や短絡がない限り、エンジン電子制御システムの自己診断には引っかからず、運転者に警告しませんので、わかりにくい故障モードと言えるでしょう。

注入した燃料添加剤の効果は徐々に薄れます。

走行距離10万キロを越え、熱線汚損の影響が出始める走行距離ですから、消去法的診断をご理解いただき、新品交換を実施しました。

交換前後の各データを取得し、お渡し後の症状再発に備えます。

そして、今日で3週間経過しました。

お客様からは、『新車の時のシルキーさが戻り、運転するのが楽しくなりました』と、その後の好調が持続している様子のお知らせをいただきました。

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