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未解決のブレーキ時異音へのアプローチ(ダイハツ ミラ DBA-L275S)

「もうこれでブレーキ異音は解消しています!」

お客様の最初の訴えから5年も経過し、未解決だったブレーキ異音がようやくすっきり解決しました。

平成21年式 ダイハツ ミラ DBA-L275S KF-DE 3AT 走行距離 113,000km

解決へのレバレッジ(ダイハツ ミラ DBA-L275S ブレーキ異音)


5年前、「そう大きな音ではないけれど、最近ブレーキを踏んだときだけ、変な音がするときがある」との訴えで、最初は左フロントから聞こえていたと感じた異音は、よく確認すると左後ろからで、タイヤ回転周期に合わせて、ブレーキを踏んだときだけ、「カ、カ、カ、カ…」と鳴ります。音は非常に小さく、ラジオの音でわからなくなる程度です。

最初の点検時、ブレーキドラム内の摺動面に線傷がついていたことと、ドラムを組みなおして異音が解消したので、何か小さな異物混入が原因だったのではと推察していました。

ところが、その後も不定期に異音は発生。

小さな異音でも気になるととても不快に感じます。

ブレーキ装置の主要部やハブなどを点検し、危険な状態に陥る可能性は限りなく低いことをお伝えし、お客様のご協力で長期間症状を観察し、特に12ヶ月ごとの法定点検直後に音が大きくなる傾向にあることがわかってきました。

僕が行うブレーキドラムの隙間調整が、異音発生原因近くの作業であることが見えてきました。

法定点検時は、ブレーキ清掃と点検を終えるとブレーキシューを1ノッチ広げます。この作業には、ブレーキペダルタッチを良くする目的があります。

この調整で状態に変化がある場所は、ホイールシリンダに近いシュー取り付け部。

バックプレートのブレーキグリースを清掃すると、ブレーキシューと接触する場所がV字に大きく削れています。

同様の摩耗は、同種構造ではよく目にするものですが、他と違って摩耗量が大きいようです。バックプレートの材質に起因しているのかもしれません。

シュー側はこのような構造です。当たり箇所は金属の地肌が見えています。

ブレーキを掛けるとシューが押し広げられます。シューがバックプレート上を摺動する動作が、V字に掘られた溝に妨げられて円滑な動作になりません。

そして、ブレーキ調整後は、当たり箇所が微妙に変化してシューが暴れやすくなったのでしょう。ブレーキを掛けたとき、バックプレートにシューが落ち着かず異音が発生したと考えました。

本当はバックプレート交換が理想ですが、一旦ベルトサンダーで表面の溝が無くなるまで表面を整えました。

そして、長年悩まされえた異音は完全に解消し、お渡し後の経過は全く問題ないようです。

↓ブレーキシューは信頼の純正部品一択です!


DAIHATSU (ダイハツ) 純正部品 リヤブレーキ シューキット 品番04495-B1270

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