外国車のセミオートマについてのご相談です。
伊マニエティ・マレリが作るセミオートマは、アルファロメオに載ると「セレスピード」、フィアットに載ると「デュアロジック」、ランチアに載ると「ドルチェ・ファール・ニェンテ(DFN, Dolce Far Niente)」と称されるイタリア車の半自動変速システムです。
変速機本体はマニュアルトランスミッションと何も変わらず、マニュアル車と同じ乾式クラッチが備わります。要するに、人間に代わってシフトレバーとクラッチ操作を油圧ロボットが行う機構です。
お忙しい中恐縮です。ぜひご教示ください。
冷間時に時折ジャダが出ます。
また、2〜3時間走行後の減速時、3→2に自動シフトダウンの際、ゴゴッと鳴りシフトショックが出ます。
セレオイルは自作のサブリザーバータンクを追加し、ユニルオパールが不足しないよう工夫しています。
1年半前、63000k時点でミッションオイル、エンジンオイル共に交換済みです。そこからまだ4000キロ程度しか走っておりません。
multiecuscanでクラッチトラベル27.9mmに設定後、キャリブレーションした後、240キロ走行でシフトショック再発です。
これらからどのような状況が想定されますでしょうか。
最悪、シンクロ破損を考えております。
以上、よろしくご指導くださいませ。
お車の症状を伺い、大変お困りのこととお察し申し上げます。
まず、貴殿が想像されているシンクロナイザ機構の破損につきまして、確認したものではありませんが、セレスピードは機械機構に破損が生じないよう、無理なシフトチェンジはしないように仕組まれているようです。
冷間時のジャダーも、温間時のシフトダウン時のショックも、クラッチ作動が円滑でない気がします。
クラッチの操作は、マニュアルミッションをお乗りのご経験があればお分かりのことと思いますが、特にミートポイント付近は大変微細な制御を要求されます。
温間、冷間でミート時の感触に差がありますし、特にシンクロナイザ機構の無いバックギアに入れる時は、シフトレバー操作が固くて思うように入らないこともあります。
これら、人間が感覚的に微調整しているものを、簡単な(といっても相当に複雑と思いますが)プログラミングで実行させようというのですから、クラッチの繋がり方に差が出るのは当然でしょう。
「私のセレは乗り始めてから全く快調で不具合知らず」というものもある傍らで、走行中にシフトがニュートラルに戻ったり、1stギアやRギアに全く入らない、また、Rギアに入ったまま抜けなくなったなど、頻繁にトラブルに見舞われるセレもあるようです。
近年、スズキの一部にAGSというセレスピードと同様の機構を搭載している軽自動車がございますが、マレリの製品と比較して半クラッチが長め、シフト操作も遅めです。機械の誤差を埋めているのかもしれませんし、単純に改善の余地かもしれません。
マレリが車を操る喜びを得るためにシビアなセッティングを施し、製品の安定性を犠牲にしているとすれば、前述のようなクラッチ動作の差はしかるべきもののような気がします。
小手先の調整ではほとんど改善しなかったのが、セレユニット、クラッチ本体、果てはコントローラを順番に交換したら、どこかのタイミングですっきり解消した。というような手探りの修理ばかりがWeb情報として目立ちます。
部品の供給も滞り気味になってきた車齢かと思います。よさそうなリサイクルパーツの活用も視野に、予算の許す限り交換点検を実施するか、気長にmultiscanのデータモニターとにらみ合うか、いずれにしましても短絡的、近道的なものは難しそうです。
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