カテゴリ: シトロエン

各種警告灯点灯の原因にアプローチする(シトロエン C4, ABA-B5NFU, ABS EPS depollution system faulty)

連日の猛暑で特にクルマの電装系のトラブルが多発しています。

シトロエン C4 にお乗りのお客様から連絡が入りました。


いつもお世話になっております。

C4にトラブルが発生しましたのでご相談です。

3日ほど前、走行中に警告音が鳴り、ディスプレイに一瞬、Braking system や、ABS/EPSのエラーがでました。
すぐに消えた後、普通に走れていましたが本日また同じような警告が出ました。

PCをつなぎ診断を見たところ、いろいろと出ていましたが、車両の速度情報のフォールト、リア左右の異常な速度情報がABS等に送信された、といったエラーが多く出ていました。

額面通りに受け取るとリアのABS速度センサーが怪しいような気がしますが、どうなんでしょうか…

youtubeでABSセンサーをテスターで調べている動画があり、やってみたいと思いましたが潜るのが怖くてやめておきました。

その他にはECU supply overvoltageやヘッドライト関係のエラーが出ています。

ややこしそうなのでディーラーの方がいいかと思いましたが、もし、見ていただけそうでしたらお伺いしたいと思います。

長々とすみません。よろしくお願いいたします。

平成21年式 ABA-B5NFU NFU AL4 走行距離 68,000km

以前、各種警告灯が表示し、エンジンストールして再始動できないというシトロエンC4の診断したことがありました。

シトロエン C4 エンジン不調を調べてみたら (GH-B5RFJ)
シトロエン C4 エンジン不調は意外な原因だった (GH-B5RFJ)

その後に知ったのですが、この年代のシトロエン、プジョーの鬼門と言われるヒューズボックス内部の不具合で、いろいろ不可解な現象な起こるというものでした。

こちらのC4にお乗りのお客様は、ご自身でPCベースの診断機をお持ちです。不具合情報のご提供は、入庫以前に大まかな(遠隔)診断が可能になります。

また、お車の構造や各部名称もよくご存じですので、短い文章で多くの情報を共有でき、原因にアプローチする時間が非常に短縮できるのです。

さて、今回も各種警告灯が点灯するということですから、以前のヒューズボックスの内部不良が疑わしいのでしょうか?警告表示は出ても普段通りに走れいているというところが、以前とは違います。

まずはお送りいただいたフォルトログを見ることにします。

僕からは、現在のフォルトコードを記録してから全て消去し、次に警告灯が表示されたら再度フォルトコードを確認して送ってくださいとお願いしていました。

citroen_C4_fault_record_20190801

ここで最初に注目したのがECUに供給される電源電圧です。

17.0Vや18.0Vと、異常な高値を示しています。通常エンジン稼働時に調整される電圧は14V付近です。疑いをもったヒューズボックス内で短絡や断線があったとしても、14Vを超える電圧にはならないのです。

考えられる一つの原因は、電圧調整ができなくなったICボルテージレギュレーターです。レギュレーターに内包されるパワー素子は短絡モードの故障が多いのですが、正常復帰するパターンは初めてでしたので、お客様にご説明の上、ICボルテージレギュレータ内蔵のオルタネーターの交換を試みました。

用意したのはValeo製。元付いていたのは三菱電機製でした。

一見取り出しやすそうな位置ですが、エキマニ近くのボルトにレンチが入りません。

使用頻度の低いコンビネーションをアセチレンで炙ってクランク状に曲げ、丸棒を溶接して特殊レンチを急遽製作。

このように間隙を縫って狭い隙間でボルトを締緩することができます。

残念ながら、お預かり時にオーバーボルテージになることがなく、不具合の観察ができませんでした。1日に数回~数日に一回の頻度で警告表示するとのことでしたから、ますば、お渡し後の調子を伺うこととしました。