魅惑のコルサイエロー。
お買い求めの際、黒のMitoをお目当てに展示場に足を運ばれたそうですが、奥に佇む黄色の限定車に一目惚れだったとのこと。
限定150台のイモラリミテッドです。
平成21年式 アルファロメオ Mito 1.4リットル 199A8000 6速MT 走行距離 45,000km
今回、2回目の車検整備を承りました。
ご予約いただいた数週間前、旅行に出かけた京都-広島の往復も快適でしたと、Mitoの好調を伺っていました。
ところがお預かり当日、オーナー様の表情が冴えません。
「好調をお伝えしていたのですが、実はこちらに伺う直前、左前方からすごい音がしたんです…」
すぐにステアリングをお借りして、お客様は助手席に。しかし、さっきまでの音は止んでしまったそうです。
僕が初めて拝見した3年前のさらに1年前。他所での車検時に10センチほどの鉄片が走行中に落ちましたと慌てていたメカニックの様子が印象に残っているとオーナー様。
「なんとかスプリングと言っていたような…」
まさかと思いながら整備記録を見ると、右フロントコイルスプリングの交換歴がありました。
左も同様でしょう。左フロントタイヤを取り外した奥にあるコイルスプリングは、4年前と同じ、約1/4巻ほどが折損し、切片は近くに見当たりませんでした。
当時融雪剤散布地域を走行されていたとのことで、それなりに腐食していますが、コイルスプリングが折損に至る事例を見たのは初めてです。
フロントストラットに組み込まれたコイルスプリングを交換します。
カウルトップパネル下のアッパーマウントにアプローチするためにワイパーアームなどを取り去ります。
無負荷でピストンロッドが縮むタイプのショックアブソーバですから、コイルスプリングをかなり圧縮する必要がありました。
正常な長さのコイルスプリングを組み込んで試運転しますと、今まで低扁平率のタイヤのせいとおもっていた固い乗り心地が随分緩和されました。金属の疲労は随分以前からあったのかもしれません。
同型のサスペンション装着車は要点検です。