カテゴリ: ホントの話

ホントのところ車の寿命って…

車齢が7年を越えたあたりから、セールスやメカニックから「買い替え」の話が出てきて、

『ホントはまだまだ乗れるのに,だましてんじゃないの?』って思っている方も多いかと思います。

高額な修理代を支払わずに乗れる限界を「車の寿命」と仮定すると、その限界は『各構成部品が、経年劣化によって当初の機能を保てなくなり始めたとき』と言えるでしょう。

これは、全く車を動かさなくても、ある年数と共に必ず訪れます。

ワイパーのゴムなど簡単に交換できて、その金額も高額でない場合はよいのですが、例えば、エンジンオイルが外に漏れないようにシール(密封)しているゴム部品だとしたら、部品の数も然ることながら、交換にはエンジンをバラバラに分解しないと完璧には出来ない場合が少なくありません。場合によってはエンジンを一度車から離脱する場合もあります。部品そのものより技術料が高額になる典型的な修理ですね。

その他、近年の自動車は電子部品が多く使われていて、他の部品同様、経年劣化します。プリント基板の一部を修理するのは一般的に不可能とされていることが多く、故障したのがエンジンやハイブリッドシステムなど多くのモノをコントロールするメインコンピュータだとすると、驚くほどの高額なことも。

保管状況や、整備の方法で随分違うのですが、概ね車齢が10年を越えたあたりから、このような「経年劣化」による故障が現れてきます。

極端な例ですが、タクシーは5年で40万km~50万km走ります。実は自動車って、そんな長距離を走破できる性能を誇っているんです。それも油脂類や消耗部品の定期交換だけで主要部品の交換はほとんどありません。

それは、5年という短期間では「経年劣化」がまだまだ進行していないからなんですね。車に限らず、どんな工業製品でも「耐用年数」があります。そして、「限りなく耐久性の高いもので、限りなく安価なもの」を懸命に開発されていることと思います。

そして、耐用年数を越えて車を走らせるのも、僕たち修理屋の大切な仕事の一つです。