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アルファGT 乗り心地改善(完成編、アルファロメオ GH-93732L ショックアブソーバー交換)


ショックアブソーバと関連するラバーパーツの交換で足回りの整備を行ったアルファGTは最終調整に入りました。

平成17年式 GH-93732L 936A 6MT 走行距離 102,000km

147, 156, GTと共通のプラットフォーム(車台)ですが、こちらのGTは V6 3.2Lの強力なエンジンを搭載しているからでしょうか、赤丸で囲った補強材がサスペンションメンバーとフロアーパネルを連結して剛性を高めているようです。

147, 156を何台か拝見しましたが、ツインスパーク、V6 2.5Lモデルには配備されていない補強です。GTAにはあるのかもしれません。

この補強の無いモデルは、路面からフロント足回りに入力があると、サスペンションメンバーに直付けされたステアリングギアボックスからステアリングコラム、そしてステアリングホイールへと振動が伝播します。段差を通過するたびにステアリングがバタバタと上下に振動するのですから、せっかくのスポーティなアルファロメオのドライブに興醒めされた方も少なくないでしょう。

こちらのアルファGT V6 3.2Lは、足回りが機能不全を起こしていた状態でもステアリングホイールの上下動が極端に少ないと感じるのは、この2つの補強材の恩恵です。

ところが、ショックアブソーバと関連部品を組み込んで試運転を繰り返すと、フロアーパネルの特に右側(助手席側)に違和感を感じるので点検しますと…

上の矢印の部分のボルトが完全に締結されていなかったり、

車両前方のメンバー取り付け部に関しては、なんとボルトが折損していました。

サスペンションメンバー離脱の形跡がありますので、おそらく他所でクラッチ交換のときに修正せずに放置されていたものと察します。他のモデルにはない補強なので修正を怠ったものと思いますが、左右でアンバランスすぎますので修正を施しました。


もともと左右のフロアーパネル中央部分に前後方向のフレーム(柱)が配置されていない147, 156, GTのプラットフォームはフロアー剛性がそう高くありません。タワーバーや強いコイルスプリングで部分的に剛性を高めた車両は途端にフロアーが踊ります。147や156に本国仕様のスプリングの組み合わせをお勧めする最大の理由です。

雌ネジ修正でしっかりと補強され、ショックアブソーバ交換したアルファGTは、以前とは比較にならないくらいの安定性を得ました。18インチ40%扁平のタイヤの固さは、少し空気圧を上げることでバランスを取ります。

乗り心地が悪くて出かける足が遠のいていたと伺っていたGTですが、もうそんな気持ちにはならないでしょう。その後の感想を心よりお待ちしております。この度は、整備のご依頼誠にありがとうございました。

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ITS