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セレスピートの不調 その6(アルファ156GTAワゴン GH-932BXB)

前回記事『セレスピートの不調 その5(アルファ156GTAワゴン GH-932BXB)』の続きです。

イタリーの大蛇に噛みつかれて8日目。うどん・そばの仕事も大切ですから、パスタばかりを食べてはいられず、本日は走行無しアイドリング時のデータ収集に徹しました。

手探りで点検やデータ取りを行っていますが、資料が乏しく、また症状が出にくいことも原因に辿りつき難い理由の一つで、虚しく時間ばかりが経過します。ノートパソコンと自動車とのインターフェイスは市販のものを使用します。USBに差し込む簡単なものです。

平成16年式 GH-932BXB V6 3.2 Selespeed 走行距離 100,000km

セレスピードは、運転者の代わりにマニュアルトランスミッションの操作をするロボット変速機です。クラッチの断続操作もその機構に含まれますから一般的なオートマチックと同じ2ペダル。

不調時の症状は、アイドリングで停車中、ガタガタと車体が震えた後、ガツンと衝撃が加わりエンストするというもの。クラッチを切っておかないといけないときに、誤作動してクラッチを接続してしまうようです。

お預かり初日は診断機接続しない状態で走行テストし、走行開始約1時間後に4回症状を確認。そして昨日は診断機接続していましたが、症状が現れた直後にパソコンの電源が落ちてしまい、データ収集失敗…今日は店の中で1速にシフトした状態でアイドリング、長時間データ取りを試みますが、8時間経過しても一向に症状が現れませんでした。

1速にシフトした状態で放置すると約3分後にニュートラルになり、さらにニュートラルのまま放置するとクラッチソレノイドの通電も絶たれていわゆるクラッチペダルを離した状態になることもわかりました。
そして、セレスピードのコントローラにヒントはないかと直接確認します。

ところが完全密閉式のコントローラは目視点検を受け付けません。集積化、ユニット化の進む各種コントロールユニットはもはや分解点検すらできなくなりました。

セレコントローラに接続されるハーネスに、後付けのETCやアンテナ類、レーダー探知機、ドライブレコーダなどの配線が束になってくくりつけられていましたので、ノイズの影響があってはいけませんから別の場所に配置します。

お客様にさらに情報提供を求めました。中古車でご購入は4年前の10月。
購入直後にセレの不具合を体感し、前オーナーには知らない症状といわれ、とあるショップでクラッチソレノイドを交換(昨日確認した比較的新しいソレノイド)。その後数ヶ月は調子よかったが、症状再発、現在に至るとのことです。

傾向としては暑い季節、渋滞時などに多く発生するようですが、気まぐれで何ヶ月も症状が出ないときもあるとおっしゃいます。
ETCは中古購入時に既に装着済み、その他の機器については装着した時期が最近のものもあるとのことで、後付け機器の影響は少なそうです。

せめて不具合発生時のデータ捕捉をしたいところですが、本日も願い叶わず日付が変わってしまいました。

次回『セレスピートの不調 その7(アルファ156GTAワゴン GH-932BXB)』に続く

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