カテゴリ: いすゞ

名車の走りを取り戻そう!(いすゞ ジェミニ ハンドリング バイ ロータス 黒煙が出るエンジン不調 Handling by LOTUS)

JT190 いすゞ ジェミニ Handling by LOTUS 走行距離170,000km

昭和63年式、26年前のクルマで懐かしい顔つきですが古さを感じないよいデザインです。

他所でメンテナンスされていましたが、ご相談をお受けして今回からは僕が拝見することになりました。


まずはアイドリングが1400rpmと高すぎること。そして急加速時に大量の黒煙が出ること。試運転をしますと、加速が鈍重でジェミニらしさが感じられません。エンジンの主要部に致命的な痛みがないようですので慎重に診断することにします。

オーナー様はこのような調子でも、古い車なので部品入手の困難さから適切な処置が難しく、正規とは違う調整をしてあると今まで説明を受けられていて、なんだか釈然としないまま、それに納得せざるを得なかったご様子でした。部品は数が少ないながら入手できそうですので、見込みでいくつか部品を取り寄せ、それから詳細に検証していくことにします。新品部品が手元にあると不調がわかりやすくて助かります。ウォッシャータンクからの水漏れも同時に処置する予定です。

アクセルを踏み込むと調子の悪いディーゼル車のように黒煙が出ますから燃料過多でくすぶり気味のようです。まずは経年劣化で燃料増量補正されてしまう水温センサーの交換。国内に在庫わずかしかないと聞いていましたので、無条件に交換しました。

さらに点検します。バキュームホースの劣化多数。バキュームセンサー式のDジェトロですから2次エアの吸い込みも燃料増の原因です。

アイドリングがとても高かったのは燃料過多の原因を取り去らないまま、ごまかすための誤調整だったようです。この誤調整ではエアコンON、ヘッドライトON時でさらにアイドリングが高まりとても危険です。そしてこの危険な高回転アイドリングを回避するためにISCV(アイドルスピードコンロトールバルブ)の配線コネクタを故意に離脱してありました(汗)

諸々の処置で燃料過多の原因は除去され、アイドリングも規定値に調整。そして離脱してあったISCVのコネクタを差し込んでエンジン調整完了。

ウォッシャータンクから水漏れはポンプの合わせ目からのリークが原因。ポンプ新品を組み付けリークテストし、問題ないことを確認しました。

完成後試運転。とてもキビキビと動く、あのジェミニらしい素晴らしい走りがよみがえりました!!ひび割れのあったインテークダクトはメーカーの生産が打ち切られておらず一ヵ月後に手元に届きます。引き続きよろしくお願いします。

《関連記事》
いすゞ ジェミニ ハンドリング バイ ロータス 冷却系統修理(Handling by LOTUS, E-JT190)
いすゞ ジェミニ ハンドリング バイ ロータス O2センサー交換(Handling by LOTUS, E-JT190)
いすゞ ジェミニ ハンドリング バイ ロータス アイドリング不調 (Handling by LOTUS, E-JT190)
いすゞ ジェミニ ハンドリング バイ ロータス ヒーターコアユニット交換(Handling by LOTUS, E-JT190)
いすゞ ジェミニ ハンドリング バイ ロータス 車検整備 (Handling by LOTUS, E-JT190)