カテゴリ: ボルボ

至高の高速ツアラー ~ボルボ V70 ブレーキ異音修理(LA-SB5244)~

最近、止まる寸前に後部ブレーキ付近からガサガサという異音がするとの主訴でお預かりしたのはSB系V70です。

平成15年式 LA-SB5244W 走行距離 225,000km


今回、初めてお目にかかるお客様、正規ディーラーでは、車検や修理時の説明に乏しく足が遠のき、お住まい近くの修理工場で車検など整備を依頼されていたそうですが、今回の異音についてはブレーキに問題なしとのこと。

しかし、その後明らかに大きく酷くなっていく異音。同時に相談されたエンジン始動直後から少し続く異音については、ディーラーに行ってくださいと断られ、大変遠方にもかかわらずご来店いただいたという経緯です。

総走行距離とお車の外観から、比較的長距離高速移動が多いようです。ボルボの大きなゆったりした座席、安定感たっぷりのロングホイールベース、剛柔併せ持つサスペンションなど。高速ツアラーのお手本のような名車に長期間身を預けていると、その心地よさはいつしか当たり前になり、今回のような不調で初めて、近い将来訪れるお別れの時と、愛着をお感じになられたのではないかと思います。


自動車のメカニカルな部分に明るくなく、一般的な定期メンテナンスを怠ったがゆえの結果なのかもしれないと少し落胆されたご様子でした。しかし、ほとんどのユーザーは、自動車のことをご存じではありません。好調を長く保つための案内は自動車整備士が担うものだと考えています。

さて、まずは異音を確認に試運転をと、店の前の段差でほんの少しブレーキを掛けただけで「ゴゴッ」と明瞭な音が鳴りました。問題なしとされていたリアブレーキは、ブレーキパッドのベースプレートが直接ディスクローターに触れる限界を超えた摩耗でした。


金属同時が擦れたため、たくさんの摩耗粉が散っていました。

そして、エンジンからの異音とおっしゃる音は、冷間時にかすかに聞こえるATからの音かなと最初思いました。しかし、ディップスティックより遥か下のレベルにまで残量が低下していたエンジンオイルを規定量まで注入すると、お渡し後、音の大きさがずいぶん小さくなったとのことでしたので、油量低下による動弁機構の機械音だったのかもしれません。

たくさんの距離をお乗りになられますので、1000km走行後のエンジンオイル量確認のためのご来店と、すでに超過しているかもしれないタイミングベルト交換時期について前歴をご確認いただくことをお約束し、今後のメンテナンスについては改めてご案内することにしました。何でもお気軽にご相談いただけると嬉しく思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。



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ITS