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え?! 意外… エアバッグの注意点とパッシブセーフティ

ダイレクトメールは、国土交通省とトヨタ自動車が送り主のリコールの報せでした。

新車から程なくしてナルディクラシックの社外ステアリングホイールに交換した際、取り外してご自宅で保管されていたノーマルのエアバッグ装置付きハンドルは、最寄りの正規ディーラーに持ち込まれ、リコールの改修をお受けになられたばかりでした。

そして、さらなる改良を加えたと再度のリコール通知。


内容は前回改修時同様、エアバッグ作動時に内部の部品が破損してその破片が飛び散り、乗員が死傷するおそれがあるというものです。

平成15年式 UA-SCP10 1SZ-FE 5MT 走行距離 254,000km

さて、取扱説明書などのエアバッグに関する注意喚起を改めて読んでみました。

  • エアバッグはシートベルトの補助装置ですので、シートベルトは必ず着用してください。
  • シートベルトを正しく着用できない小さなお子さまには、必ずチャイルドシートを使用してください。
  • 助手席には、後ろ向きのチャイルドシートを絶対に取り付けないでください。
  • 走行中はお子さまをひざの上に抱いたり、助手席の前に立たせたりしないでください。
  • エアバッグ装置からできるだけ離れてお座りください。
  • エアバッグ装置の上や周辺にものを置いたり、取り付けたりしないでください。

気になったのは「エアバッグ装置からできるだけ離れて乗車する」注意書きでした。

ハンドルを抱きかかえるような姿勢で運転しないようにとの注意と思いますが、運転席の場合、素直に従うとドライビングポジションが適切でなくなりそうです。

エアバッグ展開時の映像の多くは、高速度カメラでの撮影ですからスローモーションで、いかにも柔らかなクッションで乗員の頭部を優しく受け止めているような印象があります。

しかし、実際は強い爆発力で急速にバッグが展開しますから、顔面に相当な衝撃があるといわれています。また、窓を閉め切った気密性の高い車内でたくさんのエアバッグが一度に展開した場合、気圧上昇で鼓膜に損傷が生じたり、鼻血が出るなど、いくつかの加害性があることを知っておく必要があると思います。

助手席の乗員は前面衝突時に支えがありませんから、エアバッグは有効な緩衝装置と思います。

一方、運転席にはハンドルがあります。適切な姿勢でハンドルを両手で握るとシートベルトで十分なパッシブセーフティが得られるとのお考えがヴィッツのオーナー様です。

万一の衝突時に、目の前でエアバッグが展開しなければ、運転者の視界が遮られず、二次被害を低減させる回避動作を採ることができるかもしれません。

適切なドライビングポジションを探るため、足元のペダルにシート位置を合わせると、テレスコピック機能のないヴィッツは標準のハンドル位置は遠く、30mmのスペーサーを介して適切な位置に調整することができました。

シートベルトの補助装置であるエアバッグは保安基準の対象ではありませんから、取り外しについての罰則はありません。ただし、エアバッグ装置の警告灯が点灯していると車検を受けられませんので注意が必要です。

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