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本物のコイルスプリングは何がちがうのか?(サスペンションプラス製 UC-02 ローダウンサス)

現在コイルスプリングのワンオフ特注製作をお願いしているサスペンションプラスさん。

計測のために社長自ら遠方からお越しいただき、目下製作中(こちらは後日ご報告いたします)。


初めて社長にお目にかかった時、仕様変更(主にローダウンやリフトアップするものが多く市販されています)のスプリングは『設計』が一番大切で、使用過程で車高が下がるようなものは、そもそも設計が間違っている。材質起因ではないとのこと。

エンジニアならではのストレートなご見解に感服いたしました。

経年変化抑制のため材質工夫を謳う商品が多い中、設計の大切さを説く社長のお話で、同社のコイルスプリングに俄然興味がわきました。

さて、僕は今まで市販車の車高(ライドハイト)変更をお勧めすることはありませんでした。しかし、走行性能の「お堅い話」は抜きにして、車高を変化させて好みのスタイルを得たい市場要求が無視できないほどあることは事実です。

バランスの取れた市販車のサスペンションに変更を加えるのですから、損失(乗り心地や操縦性の悪化)を最小に抑えたいと、スタイル重視を選択するユーザーは、誰もが願うことと思います。

「乗り心地とスタイルの両立」などという都合のよい足回りは、安価には手に入らないことを皆知っているからです。

そんなことを日産ピノのオーナー様とお話ししていると、コイルスプリングの仕様変更に大変興味を持たれました。

同じだと思っていた日産 ピノ(HC24S)用とOEMメーカーのスズキ アルト(HA24S)用で品番を細かく区分されていることが決め手になり、サスペンションプラスさんのローダウンスプリングを組む運びとなりました。

サスペンションプラス UC-02 詳細

平成21年式 DBA-HC24S K6A 5MT 走行距離 133,000km

軽自動車を含む主要な国産乗用車は、ロードクリアランス確保も然ることながら、タイヤチェーン装着時のフェンダー内干渉抑止のため、フェンダーアーチとタイヤ外周までの距離が大きく取られていることが多く、腰高に見えてしまう最大の要因です。

サスペンションプラス製ローダウンスプリングUC-02装着後は、フェンダーアーチ内のタイヤとのクリアランスがほぼ一定になり、嫌みのないすっきりしたスタイルに仕上がりました。

懸念のフロントロワーアームの角度を見てみます。

派手にローダウンすると、両側のロワーアームがV字型になってしまい、ロールセンターの極端な低下で、せっかく重心を下げたにもかかわらずロール量が増えてかえって不安定になることがありますが、UC-02装着後、ロワーアームは水平よりやや「への字」を保ち、ギリギリのところでドライブフィールを損なわないよう配慮されている様子でした。

約30ミリのローダウンですが、サスペンションアームブッシュの捻じれには注意です。

1G荷重時のアーム角度が大きく変わりますので、静置状態でアーム支点のラバーブッシュにストレスが掛からないよう、すべてのサスペンションアームの支点は一度締結を解き、1G荷重で締め直します。

また、フロントはストラット式ですので、ローダウンするとキャンバー角が若干ネガティブに振れます。

ストラットを固定する17mm頭のボルトの遊び分だけでも、ポジティブに振れるよう組むことがステアリングフィールの違和感を少なくする方法です。

調整時のテスト走行では、純正コイルスプリングより若干高めのスプリングレート(ばね定数)の雰囲気を、車体全体の動きに感じますが、比較的新しいKYB NewSRの高めの減衰力がマッチして、乗り心地の変化は最小に抑えられました。

お渡し後、いろいろな走行パターンでのご感想をお待ちしております。

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