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輸入車のタイミングベルト交換が早いワケ(シトロエン C4 ABA-B5NFU)

24ヶ月点検整備でお預かりしましたシトロエンC4は、初めてご来店いただいてから4年8ヶ月が経過しました。

脆弱といわれるAL4トランスミッションは、初期のころから化学合成ATFを定期交換して好調を維持しています。

平成21年式 ABA-B5NFU NFU AL4 走行距離 61,000km


お預かり時、エンジンから耳障りな異音が発生していることを伺いました。

今回の点検整備では、オーナー様からタイミングベルト交換をご依頼いただいていましたので、装着前の新品部品をご覧いただき、「この部品のどれかが異音の発生源だったらいいですね」と、いくつかある回転部品をクルクル回しながらメンテナンスの成功を願いました。

同じC4でも排気量2リットルのRFJエンジン搭載車に比較してこちらのNFUエンジンはエンジンルームの作業スペースに余裕があります。

タイミングベルトを取り外すためにはエンジン右側に装着される大きなエンジンマウントインシュレーターを取り外し、エンジンが傾斜しないように今回はオイルパンをフロアジャッキで優しく支えました。

NFUはクランクプーリーが3本のボルトで固定するタイプでしたので、クランクプーリー中心ボルトを緩める必要はなく、位置決めキーの無いPSAのエンジンのクランクシャフト固定の手段を省けました。

タイミングベルトカバーを取り外して現れたタイミングベルト。

ウォーターポンプからはクーラント漏れが確認できました。異音の原因はウォーターポンプで、単体で回転させるとザラザラと粗い感触でした。

さらに、タイミングベルトテンショナーのプーリーは回転が渋くなっていて、最悪ベアリングが焼き付いてロックしていたかもしれません。

輸入車のタイミングベルトは、国産車のそれと同様、品質が向上して以前のように歯飛びや断裂というトラブルはほとんど無くなりました。

しかし、回転部分に使われている部品はベルトと比較して短命な印象があります。輸入車のタイミングベルト交換時期の難しさだと思います。安全に4万キロ毎という交換サイクルも間違いではないでしょう。しかし、今回のようにわずかなエンジン音の変化を察して6万キロ走行が適切な交換時期の場合もあれば、国産車並みに長く耐久している例もあります。

僕はタイミングベルト交換の時期を案内することは控え(お預かり時に異音が発生している場合は除く)、基本的にお客様のご判断にお任せしています。

カムスプロケットが動かないように固定するSSTを用意しましたので作業が格段に捗りました。