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漏れを誘発する劣化したエンジンオイル(トヨタ ランクス CBA-NZE121 車検整備)

車検整備でお預かりしたトヨタ ランクス。走行距離2万キロ、2年間交換されていなかったエンジンオイルは、墨汁のようでした。

トヨタの1800ccエンジンのバルブカバーとシリンダヘッドの間からは著しくエンジンオイルが滲み出し、エンジン側面から変速機、サスペンションメンバーに至るまで真っ黒のエンジンオイルでべっとり。

漏れ止めのためにシリンダヘッドとバルブカバー間に配置されるラバーパッキンは、柔軟性がすっかりなくなって硬いプラスチックのようでした。

劣化して酸性を帯びたエンジンオイルは、ラバーを硬化変質させます。加えて、潤滑性能が劣りますので、摺動抵抗の増加でエンジンの発熱も大きくなるに違いありません。エンジン周りにめぐらされたワイヤーハーネスのコルゲートチューブも、指が触れるだけで簡単に粉砕しました。

今回は一番漏れが酷く、比較的簡単な部位のみ処置しましたが、他のエンジンオイルを遮断する部位も推して知るべし。バルブカバー裏には劣化して重縮合したエンジンオイルの変性物がびっしりとこびりついていました。

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