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アイドリング回転数が高い スズキ ジムニー (V-JA11V)

すっかり暖機は終了しているはずなのに、随分高回転なアイドリングで入庫したのは JA11 スズキ ジムニーです。

平成7年式 V-JA11V改 F6Aターボ 5MT 走行距離 142,000km

ご相談の内容は、社外品のステンメッシュブレーキホースがタイヤに干渉するということと、アイドリング回転が高く下がらないということ。その他に、走行時特定の回転域でざらついたエンジンからの音がするとのことで、それぞれの改善をご希望でした。


まずは現状の点検をします。暖機後アイドリングを続けていると、アイドリングが高いばかりでなく、排気ガスが過濃です。2次エアの吸いこみの可能性が高く思いましたので、各部バキュームホースを点検しますと…

サージタンク横のホースが完全に抜けていました。

バキュームホースは硬化劣化していましたので、新品に交換。アイドリングはピタリと規定回転数付近で安定しました。

お客様が懸念されていたアイドル制御用バキュームバルブについては、本体の一部にぐらつきがありますので、今回の異常とは関係が薄いですが今後の不調を予防する目的で交換することにしました。

さて、ある回転域でざらついた異音の発生箇所は特定が困難でした。タイミングベルトの緩みの可能性をお客様にお伝えしましたところ、近いうちにタイミングベルト交換を予定されていたそうで、消去法ですがまずはタイミングベルト一式を新品に交換、適切に張り調整することとしました。

クーリングファンとファンシュラウドを離脱。

ファンベルトとタイミングベルトカバーを取り去るとタイミングベルトが姿を現します。

カムスプロケット奥に配置されている防護カバーのさらに奥にウォーターポンプが配置されていますので、同時交換します。

新品の純正ウォーターポンプにはスタッドボルトが付属しませんので、旧品から移植。

シリンダブロックのウォーターポンプ取り付け面を綺麗に清掃するために、こちらのスタッドボルトも一旦取り去ります。スタッドボルトが無い状態は、ガスケットの剥離作業の効率と仕上がりがまるで違います。

スズキ純正のタイミングベルトはレトルトパックのような銀色の袋に乾燥剤と共に厳重に包装されていました。それほど空気中の水分を嫌う材質ということなのでしょうか?ここまで厳重な包装は他メーカー純正品では見られない配慮です。

劣化していたウォーターホース類を追加発注している間、ブレーキホースの交換作業に入ります。

次回『スズキ ジムニー 点検整備 (V-JA11V)』に続く。

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