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異種クーラント混入のワケは?(スズキ パレット)

トヨタ、ホンダが早かった超ロングライフクーラントの使用(スーパーLLC)。

着色に違いがあり、トヨタは「ピンク」、ホンダは当初は「緑」、後に混用を避ける目的で「青」になりました。他社もそれに追随してクーラントの超長寿命化を図っています。現在の新型車は、従来赤色のクーラントを使用していたトヨタ、ダイハツ、日野は「ピンク」、そして緑のクーラントを使用していた他メーカーは「青」にほぼ統一されたようです。

今回の事件は、スズキ パレットの青色スーパークーラントのサブタンクで起こりました。

入庫受け入れ点検時、サブタンクの注ぎ口いっぱいまで満たされた薄いブルーのクーラントが目に留まりました。辺りに飛び散ったクーラントと、クーラント臭とは違う臭いを確認し、ウインドウォッシャー液の誤注入が判りました。従来タイプの緑色クーラントと区別するための着色は、よく似た色のウインドウォッシャー液と間違えられたのでしょう。

クーラントサブタンクの液面はエンジン水温によって変化します。冷間時、サブタンクに液体が満たされているとすると、温間時はオーバーフローしてしまいます。そして更にウォッシャー液を注入したのかもしれません。

ラジエータのドレーンから排出したクーラント液はブルーがすっかり薄くなり、界面活性剤が大量に混入したと思われる著しい泡立ちが確認できました。

ラジエータキャップを離脱すると、やはり洗剤の泡が確認できます。

数回、指定のクーラントで洗浄し、全量の入れ替えを行いました。クーラントは、泡立ちを抑える添加剤を必要とする液体です。それはキャビテーションという侵食作用を抑制するものです。異種液体混入の影響は未知ですが、頻度の高い定期点検が欠かせなくなりました。

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ITS