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無段変速機(CVT)のメンテナンスは本当に不要か? (CBA-HE22S 車検整備)

24ヶ月点検と継続検査代行(車検整備)でお預かりしていますスズキ ラパンです。

平成21年式 CBA-HE22S K6A CVT 走行距離 42,000km

自動変速機でも無段変速方式のCVTは、スチールベルトと可変プーリーで動力を伝達しています。スチールベルトは、同形の薄い金属片(エレメント)を、間隔が極端に狭いドミノのように多数連ね合わせて輪状にしたもので、金属でできているとは思えない非常に滑らかな屈曲性があります。


スチールベルトを挟み込む二対のコーン状プーリー。一対は入力側(エンジン側)そしてもう一対は出力側です。
向かい合うコーン間隔が変化すると、長さの決まったスチールベルトの巻き掛け径が入力側と出力側で大きくなったり小さくなったり相対的に変化するので無段変速ができるという理屈です。

指定外の潤滑油を注入すると途端に動力伝達に不調が出る非常にデリケートなCVTですが、メーカーの修理要領書にはCVTフルード交換不要の旨記載がありました。不調が出た場合は、変速機全部を交換する指示もありました。

しかし、他方で比較的短期間でCVTフルード交換を推奨するメーカーもあります。特別な機能を有するCVTフルードの特別な部分は基油ではなく、添加剤が担っていると思います。過去にジャダーなどで不調になったCVTが、CVTフルードの交換で改善された例は多数あり、添加剤の劣化が早期に訪れる印象もあります。

今回はメーカー指定どおりでなく、CVTフルード交換作業を実施しました。

使用するフルードはスズキ純正グリーン1。その名の通り緑色の液体は、ジャトコ製のCVTに多く用いられていますが、こちらのスズキもジャトコでしょうか。抜き取ったCVTフルードは、かなり黒ずんでいます。

CVTフルードのレベル合わせは、整備要領書通り温間(65℃)で行いました。参考測定の冷間は40℃とのことです。

このように完全冷機時は18℃と測定条件を大きく下回っていますので間違いがないように心がけたいです。

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