カテゴリ: スズキ

スズキ キャリィ 車齢20年の車検整備(V-DC51T)

スズキ キャリィが車検整備で入庫しました。

平成4年式 V-DC51T K6A 4MT 走行距離137,000km。

こちらのお車は、10万キロ走行時から拝見している車両です。車検整備を始めたのは6年前、中古でご購入直後でした。最初の点検で、エンジン冷却系統にひどい痛みがありました。


LLC(Long Life Coolant:エンジン冷却水)の色は、写真の液体がそうなのですが、本来グリーンです。最初はひどい赤錆色で、おそらく一度も交換されていなかったのだと思います。

一気に洗浄するとひどいリークがあちこちから起こる可能性があります。僕は、長い期間、頻繁に点検、少しずつ洗浄、リーク箇所を確認しながら修理を繰り返し、悲願の車齢20年を迎えることができました。

このF6Aというエンジンは、現在主流のアルミではなく鋳鉄のシリンダブロックです。LLCの管理が悪いと途端に水路が腐り始め、さらにその錆が循環してラジエータやヒーターコアを詰まらせます。

初入庫時のLLCの色が酷かったので、あまり長くはもたないだろうなと思っていましたが、オイル交換その他で頻繁に点検を実施できましたので、適切な処置が適切な時期に施せて何とか延命できました。

『LLCは車の生命線』と何度もブログで申し上げています。車が水冷式ということをご存知でないお客様がほとんどでしょうが、実はエンジンオイル以上に大切な液体なんです。

さて、今回の車検では、おそらく最後のリーク箇所、エンジンウォーターインレットハウジング部の修理です。インテークマニホールドの下に位置するハウジングです。オルタネーターその他邪魔な部品を外しても尚、入り組んだ場所になります。

ご覧のとおり、ニップルが腐り落ちています。

新品供給部品は少し形状が異なっていました。他車種との部品の共通化の結果と思います。

幸いシリンダヘッドガスケットの損傷はまだ見られませんが、油断は禁物。少なくとも3ヶ月に一度は拝見したいです。

《関連記事》
どうしてクーラント交換が重要なのか?(GF-MC11S スズキ ワゴンR ターボの例)
徹底したクーラント交換で腐食皆無の水路を(ダイハツ ネイキッド GH-L750S 車検整備)
放っておくと大変!ロングライフクーラント(LLC)

Published by
ITS