交差点やカーブを曲がるとき、「パキパキパキパキ…」と車速に連動して異音が発生するとのこと。
音を確認すると、左フロントのドライブシャフト付近のようです。
平成15年式 UA-SCP10 1SZ-FE 5MT 走行距離308,000km
整備記録を見ると、約8年前の187,000km時、ドライブシャフトのアウタージョイントブーツを交換しています。ブーツに若干の亀裂が生じていたのを分割タイプのブーツで補修しました。
PARAUT (パロート) 分割式ドライブシャフトブーツ ヴィッツ SCP10 用 B-B15 NEO BOOT トヨタ TOYOTA
8年前時点では異音はなく、内部のグリースを再充填しています。実は、昨年のエンジン&トランスミッション換装時、ブーツバンドに僅かな「ズレ」を発見していました。《参考記事》愛車と共に50万キロを目指して(UA-SCP10 トヨタ ヴィッツ)
ナックルハブ周辺にグリース飛散がわずかに見られましたが、問題になる量ではないと判断してバンドを正規の位置に手直ししてから車両に組付けました。その際、補修ブーツそのものに破れはありませんでしたので、ジョイント内部は確認していなかったのです。
エンジン&ミッションを車両から離脱した昨年当時、ナックルハブからドライブシャフトのスプラインを抜き取ろうと試みましたが、固着で簡単に抜けそうにありませんでした。
取り急ぎナックルハブにドライブシャフトが装着されたまま脱着したのですが、今回は何とか固着を解いてドライブシャフトを抜き取らないといけません。
偶然大掃除の時に、頑丈な外観のKOTOのハブプーラーが棚の奥から出てきました。このような高品質の専用工具は本当に助かります。
回り止めをして、30インチのブレーカーバーで中心ボルトをねじ込みますが、車体が浮き上がるほどのトルクを掛けてもなお、手強い固着でした。
そして数十分の格闘の後、ようやく外れたひどい固着の車軸中心スプライン。ジョイントの潤滑不良で過熱してたのかもしれませんね。
アウタージョイントは本来、軽い力で滑らかに動く関節構造なのですが、写真の角度まで曲げるのに相当な力が必要でした。内部が完全に潤滑不良になっているようです。
ブーツ内部はこの通り。錆が発生して、潤滑状態は極端に悪化していました。
繰り返しになりますが、グリースの飛散はそう多くありませんでした。
ブーツバンドのわずかなズレで外気との通路ができ、約12万キロ走行のうちに、内部結露が繰り返し発生したことでベアリングボールの腐食が進行したのでしょう。
今回の不調の最大の要因と思います。
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