夜間走行中にヘッドライトが突然点かなくなったとのことでお預かりしたスズキ エブリィです。
平成13年式 LE-DA62V K6A 3AT 走行距離 159,000km
ハイビームは点灯し、走行視界は保たれたようですが、突然目の前が真っ暗になったときは驚かれたことと思います。
左右のヘッドライトが両方点かない原因として、片方のヘッドライトバルブのフィラメント断線に気が付かず走行し、後にもう片方のヘッドライトバルブが切れて初めて気が付くというパターンが少なからずあります。
しかし、今回のケースではヘッドライトバルブは両方正常、ヒューズの破断もなし。
大電流の断続を行うリレーレスの電気回路ですから、手元のディマースイッチ付近の不調が濃厚です。
ステアリングホイールとエアバッグ装置を取り外した奥に、ヘッドライトとワイパーの操作を担うディマースイッチASSYがあります。
取り外してまず目に留まったのは、コネクタピンの一つが過熱で焦げていたことでした。
難燃素材でしょうが、車両火災を連想します。接触不良による抵抗値増大は、局部過熱を招きますが、過電流ではありませんからヒューズによる保護は無効なのです。
ちょうどビッグマイナー前後の製造車両で、ぴったり合う中古部品が検索できません。もう僅かで車検満了、お乗り換えをご検討中とのことでしたから、高価な新品部品の購入は控え、応急処置に留めました。
ディマースイッチをさらに分解し、赤丸で囲った接点の陥没箇所を半田で埋めます。
焼け焦げたコンタクトピンは、ストックパーツから合致するものを接続し、ロービーム点灯の一時回復に至りました。