最近ご紹介しました添加剤についてご質問が寄せられましたので、僕の意見を述べさせていただきます。
たけしくん様
はじめまして。大阪のSと申します。
突然のご連絡失礼致します。
ウェブサイトを拝見して、丸山モリブデンについて詳しく内容を記載しておられましたのでいくつか教えていただければと思い、ご連絡いたしました。丸山モリブデン添加あたって、いくつか疑問が出てきましてこの点をお聞きできますと大変助かります。
以下、箇条書きで失礼します。●officialウェブサイトをみると「5%を添加する」とありました。これは4リットルのオイルに対して200ccになるかと思いますが、この際オイルは200cc減らすのが適当でしょうか
●車指定の純正の指定オイルにも元々有機モリブデンが添加されているようです(以下のオイルとなります)最近のECOオイルにはこういったものが多いらしいのですが、丸山モリブデンを添加するにあたってはなるべく別のモリブデンが含まれていないオイルのほうが良いと思われるでしょうか
https://www.mazda.co.jp/carlife/service/parts/oil/lineup/golden-eco/
以上となります。
細かい点ですので、「気にするな」「メーカーに聞こう」と言われればそれまでの内容なのですが、なるべく利用者側で詳しく取り扱っている方のご意見が聞ければと考えています。ご回答いただけますと嬉しく思います。よろしくお願い致します。
大阪のS
〇まず最初のご質問、エンジンオイルに添加した場合のオイル総量につきまして
仰せの通り、4リットルのエンジンオイルが入ったエンジンに200ミリリットルの添加剤を入れる場合、200ミリリットルのエンジンオイルを抜く必要があります。
添加量は体積比(vol%)でメーカー指定されていてます。基本は5vol%の添加です。
エンジンオイル容量が4リットル(4000ミリリットル)のエンジンの場合、エンジンオイルと添加剤を混合した量が4リットルにならなければなりません。丸山モリブデン ベースパワー添加量をaミリリットル、エンジンオイル量をbミリリットルとしますと、次の連立方程式が成り立ちます。
(a/a + b) × 100 = 5
a + b = 4000
計算経過は割愛しますが、解は、
a = 200 [ミリリットル]
b = 3800 [ミリリットル]
連立方程式の2番目の式にあなたのお車のエンジンオイル容量を設定し、エンジンオイルは丸山モリブデン ベースパワー添加量を差し引き、総量がエンジンオイル容量になるように調整してください。
〇次に有機モリブデン配合のエンジンオイルへの丸山モリブデン ベースパワーの混合につきまして
仕入れ先の説明では、特に油種・エンジンに制限はないようです。丸山モリブデンのエンジンオイル用ベースパワーEX250Cは、混合するエンジンオイルの粘度を極端に変えるような添加物は含まれていませんので、ハイブリッド車や低燃費車に対してメーカーが指定するエンジンオイルへの添加は問題ないと考えています。
ご承知の通り、省燃費型エンジンオイルには有機モリブデンという、一般名MoDTC(モリブデン・ジチオカーバメート)が添加物として混入していることがほとんどです。
天然鉱石から精製される二硫化モリブデンとは違い、有機モリブデンは、化学合成したモリブデン化合物と考えるとよいでしょう。有機モリブデンの色は琥珀色で透けていますから、ベースオイルによく溶けて色を濁さないのが特徴です。
有機モリブデンが省燃費型エンジンオイルのような低粘度のさらさらのオイルに配合されている理由は、油膜が薄くなり、金属同士が擦れ合う、今まさに焼き付こうとする瞬前に二硫化モリブデン被膜を形成し、摩擦面を保護するためと言われています。その性質から、摩擦調整剤とかフリクションモディファイア(FM)とも呼ばれています。
燃費向上と引き換えに過酷な状況に晒される省燃費型エンジン内部に問題が起きないように処方されている添加物と言えます。
そのような省燃費型エンジンオイルに、微小隙間への導入性に優れた超微粒子の丸山モリブデンを注入しておくと、エマージェンシー的に作用する有機モリブデンより余裕のある摩擦調整が期待できそうです。
尚、丸山モリブデン ベースパワーEX250Cには、リン系や硫黄系の反応性の高い添加物や化合物は含まれていませんので、エンジンオイルの性質を極端に変えることはないでしょう。
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ご回答まことにありがとうございます。
とても明快なご回答に驚きを隠せません。
頂いた回答を元にして丸山モリブデンを使用したいと思います。
エンジンオイル総量につきましては、世のエンジンオイル添加剤の殆どに言えることなのだろうなと感じました。
説明などに「そのまま加えてください」等の記載がない限りは、このようにして使用したいと思います。
ECOオイルへの添加については、ECOオイルのモリブデンと丸山モリブデンではその役割が異なっているようですね。
気兼ねなく丸山モリブデンを使用したいと思います。
こういったコーティング的な効果であればATFなどにも使用したいと感じていますが、オフィシャルサイトを見ると、ATF用の添加剤は販売してないようで少々残念です・・・。
エンジン用の添加剤をATFに添加するのは抵抗がありますので、ここは諦めておきます。
以上です。
大阪のSさん
コメントありがとうございます。私の回答が少しでも参考になれば幸いです。
ATFやエアコン用として関西地区限定の品物はあります。燃料用にも言えることですが、メーカーオフィシャルサイトに存在しないラインナップには一般の方にたくさんお分けすることが難しい理由があります。
燃料用は二硫化モリブデンの粒度分布の粗い方、僅かですが燃料フィルターへの影響を懸念しています。お使いの皆さまには静置後の上澄みを使って下さいとお願いしています。一度にたくさんお分けしていない理由でもあります。
ATF用は摩擦特性がシビアな機械に特性を変える物体を入れる難しさがありますし、エアコン用は基剤が高度水素化処理鉱物油(VHVI)で、エアコンラインに代替フロンHFC134aに混ざって流れているコンプレッサーオイルとの相性に疑問があります。
二硫化モリブデン添加剤は、処方薬的イメージです。用法用量を十分検討する必要があり、機械を知る整備士が使用するのが本当の使い方で、関西一円を丁寧に巡回されているご主人の長年の販売スタイルの理由なんだと思います。
一般の方にお渡しして問題ないものを選定し、素晴らしさを知っていただくために一部通販対応しています。ご希望にそえない部分は上記理由によりますので何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。今後ともよろしくお願いします。