スズキ エブリィワゴンです。珍しいマニュアルトランスミッション車です。
『特に停車時1速にシフトするのが困難で、1速→2速へのシフトアップも困難なときがある。以前から症状は出ていたが、段々ひどくなってきて最近はもう我慢できなくなってきた。オイル交換など手軽な方法で改善するなら処置してほしい。』
とのご依頼。
平成14年式 TA-DA62W K6A 4WD 5MT 走行距離71,000km
DA52,62系のトラック、バン、ワゴン、どれもマニュアルミッションに同様の症例が発生しています。
以前全くシフトできなくなったDA52Vのトランスミッションを分解しましたところ、シンクロナイザーリングのシンクロキーが装着されるべき溝に著しい磨耗がありました。
新車から点検整備で拝見している車両は比較的調子がよいので、ミッションオイルのメンテナンスが症状を和らげるのかもしれません。
今回の症状、理想はミッションオーバーホールです。しかし、お客様は近々車両代替の予定があるとのこと。改善の程度が未知ですが、お客様の了承を得てミッションオイルの交換を実施しました。
使用するミッションオイルはもちろん『スバル純正 ギアオイルエクストラS 75W-90』
こちらの過去記事『隠れた名品?スバル純正ギアオイル(ギアオイルエクストラS 75W-90)』のアルファ156に注入して、よい感想をいただきました。
繰り返し申し上げてますが、スバルMT車にはこの純正オイル以外ではシフトフィールが良くありません。何か特別な添加剤が入っているのでしょうか。脆弱といわれるスバルのマニュアルミッションはこのギアオイルを使用しないと設定の機能や耐久性を満足しないのかもしれません。
さて、こちらのエブリィは四駆でトランスミッションオイルとトランスファーオイルは共用。全量抜き替えてリフトから降ろし、シフトフィールの変化を見ます。
ところが、あまり変化のない様子… やはりオイルだけでは劇的な改善はないのかと、残念な思いでしたが、しばらくするとオイルがなじんで変化があるかもしれないので、また感想をお聞かせくださいとお客様には一旦お帰りいただきました。
すると翌日、お客様から
『本日改めて乗りました。ちょっとびっくりしました。
確かに停車時のローギアの入りは固いですがオイル交換前ほどではないです。
明らかに違うのは走行中のシフトフィーリングですね。
シフトアップもダウンも軽快でオイル交換して本当によかったです。ありがとうございました。』
と、とっても嬉しいメールを頂戴しました。少し走行して各部にオイルが浸透したのですね。我慢できなかったシフトが、違和感があるものの我慢できるレベルになったということで、オイル交換の効果は十分にあったとホッと安心しました。
機械式LSD装着のFFミッションなど特別なものを除いて、おススメのギアオイルです。
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