今回お寄せいただきましたのは、非常に体感効果の高いオイル添加剤として話題になってます丸山モリブデンベースパワーについてのご質問。
決して安くない価格ですから、添加量、添加頻度、費用対効果について、多くのユーザー様からお問い合わせいただいています。
しかし、僕の調べる範囲では、主成分の二硫化モリブデンの性質について、はっきりとした学術的裏付けがほとんど見当たらないので、推奨の添加量・添加頻度などをご案内せず、メーカー指定の添加量を基本にユーザー様にお任せしているのが現状です。
よろず相談なんですが
添加されたモリブデンがオイルと共に循環することにより金属面に皮膜ができフリクション低減になっている
エンジンが止まるとオイル循環しないので皮膜がなくなると想像しています。
別の方の動画サイトではコーテイング剤と説明されてましたが
エンジンが止まった状態でも金属面にモリブデンが付着している(付着し続ける)のでしょうか?
エンジンオイルを交換すると添加されたモリブデンも抜けてしまわないのでしょうか?(少しは残ると思いますが)
よろしくお願いします。
ご質問の内容につきまして、ご回答申し上げます。
二硫化モリブデンに関して、国内外の何冊かの専門書、文献などを現在読み進めています。
できるだけアカデミックな観点でこの添加剤を解釈しようと努めていますが、僕自身、二硫化モリブデン添加剤の研究者でも開発者でもありませんので、想像の域を出ないことを予めご了承願います。
油膜の厚さはエンジン稼働時は場所によってまちまちで、プレーンベアリングが備わるジャーナル部など、油圧でフローティング状態(界面潤滑状態)にある個所は数十マイクロメートルになりますし、シリンダ壁の油膜はピストンリングで掻き落されますからもっと薄いものになります。
平均粒径が0.1マイクロメートルと説明を受けている丸山モリブデン ベースパワーの二硫化モリブデン粒子は、それら油膜中に分散して存在し、つぎつぎ導入されますので、よりよい潤滑状態が得られると考えています。
エンジン停止状態でも、エンジンオイル種によっては油膜保持性が高いものもあり、二硫化モリブデン粒子が幾分表面に存在していると思います。
次に、丸山モリブデン ベースパワーを使用するとコーティング層のような膜形成がされるかについて。
一般に、粒子の分散性と吸着性は相反する性質のため、丸山モリブデン ベースパワーほど分散性の高い分散体が、同時に金属表面などへの粒子の吸着性を併せ持つとは考えにくいと思います。仮に吸着性が高いならフィルターを早期に詰まらせてしまうことになるからです。
一方、ある文献を参照すると、エンジンの内部金属表面に1マイクロメートル程度の二硫化モリブデンコーティング層が形成され、それ以上は成長せず、順次二硫化モリブデン粒子を導入させ続けることで、摩耗した層を補修しつつ1マイクロメートル程度の層を保つことができるとの記述を見ました。
このコーティング層形成のメカニズムは、先述のとおり説明は簡単にできなくて、電子顕微鏡で観察した結果を記したずいぶん昔(40年ほど前)の文献でした。
僕が見る限り、丸山モリブデン ベースパワー添加済のエンジンオイル抜き取り時は、ほとんどの二硫化モリブデンが流れ出ているように思います。
ただ、コーティング層形成を期待するなら、局所的に高温になる部位で、金属表面に二硫化モリブデン粒子が癒着することで形成していても不思議ではないような気もします。
二硫化モリブデン粒子の振る舞いを地道に研究、観察することは容易ではありません。
しかし、丸山モリブデン ベースパワーに関しましては、他社同様製品と比較して二硫化モリブデン粒子が細かく、分散安定性に非常に優れていることは確かですから、例えば、燃費、静粛性、エンジントルクなど、数値で測れる指標で、添加の頻度や濃度を変更して、二硫化モリブデンの性質を想像しながら適切な添加を見つけていくという使用方法が面白いのかもしれません。
取り留めのないお返事になりましたが、何か参考になることがありましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
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