BMW E46 325i 乗り心地改善(サスペンション整備)のご依頼です。
最初のご来店時、ザックス アドバンテージという純正より数割減衰力を増したショックアブソーバに、フロントコイルスプリングは中古車でご購入の際すでに装着されていたMスポーツ用、リアはアルピナ用を装着されていました。この仕様で市街地を走行したときの印象は、リア側の落ち着きの無さでした。ショックアブソーバの減衰不足か、スプリングレートが高いのが原因だと思います。お客様は、325iノーマルスプリングとザックス アドバンテージの組み合わせに期待されました。
↓ザックスからはこのような車高調整式のキットもあるようです。
そして本日、お客様が手配された325i純正のフロントストラットASSYとリアコイルスプリングが到着しました。純正もショックアブソーバはザックスです。
分解のためにスプリングコンプレッサでスプリングを縮めると、ショックロッドも同じように縮まって、なかなかスプリングが遊びません。一部線間密着するほどまで縮めてようやくアッパーマウントを取り外すことができました。
ショックアブソーバは、無負荷でショックロッドは幾分縮まった状態のようです。多くのショックアブソーバが無負荷のとき、内部のガス圧で伸びきるのですが、こちらは特性が違います。
この位置はおそらく作動中心でしょう。この無負荷の状態からショックロッドを縮めるのは軽いのですが、伸び側は人力では難しい硬さです。ボディーの浮き上がりを防止しているように見えます。
もしこのショックロッドの無負荷の位置が作動中心なら、車高を下げたMスポーツや、アルピナはそれぞれの車高に合った専用のショックアブソーバだと思います。
現在装着されているザックスアドバンテージは減衰力高めの純正リプレイス品。純正ショックと同様の特性かもしれません。車高がほぼノーマルになる仕上がりがとても楽しみになってきました。
↓現在販売されているザックスの純正リプレイス
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そして、ショックロッドのロックナットを締めこむ際、ロッドの回り止めのために六画形状を加工した21mmソケットを用意しました。
ソケットにメガネレンチを掛けたまま中心に六角棒レンチが差し込めますので、ショックロッド先端に作られた六角凹で確実な回り止めができます。
次回『BMW E46 325i 乗り心地改善(その2、コイルスプリング交換)』に続く
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