PSA(Peugeot Societe Anonyme)プジョーシトロエン。
特にシロトエンにおいては過去、ハイドロニューマチックという他に類を見ない独創的な構造と乗り心地だった故、グループ統合されてから、生産性の都合で外装を除く自動車の機能部分がブジョーと共通になり、個性が無くなったと言われますが…
平成21年式 ABA-B5NFU NFU AL4 走行距離21,000km
お預かりした直後、ハンドルを回した瞬間にシトロエンの個性に触れます。
ハンドルを回しても中心部分が回転しません!
まずはLexia-3を接続して、電子制御システムのエラーサーチからはじめます。
ギアシフトレバー奥の灰皿を取り外した奥に通信ポートがあります。
特に問題となる箇所はなく、全システムをスキャンしてメンテナンスインターバルを一旦20,000kmにリセットしました。
さて、欧州では、変速機はマニュアルが主流です。ところが日本に輸入される車両はほとんどがオートマチックです。
こちらのシトロエンも自動変速機 AL4 を搭載していました。
ATオイルクーラーがないこと、日本が世界一過酷な環境であること、最初に注入されているATFの質など、さまざまな要因が影響しているのでしょう。日本国内では不具合事例の多いトランスミッションで有名です。こちらの AL4 は今回で2回目のATF部分交換。良質のATFを走行の少ない時からこまめに交換すると、噂ほど酷い状態に陥らないような気がしますし、そうであってほしいと期待しています。
変速機ケース上部に位置するフィラーの栓は8mm凹スクエアの特殊ネジ。しかも狭小な部位のため、このようなロングエクステンションと自在継ぎ手でアプローチします。
今回もお客様にご提供いただいた100%化学合成油の A.S.H VFS を注入しました。
そして、近年では珍しく普通電極のスパークプラグでした。交換時期になっていましたので全数交換。
4気筒一体型のイグニッションコイルに負担を掛けないためにスパークプラグの定期交換が欠かせません。
その他点検、整備を終了し最後にヘッドライトの向きを合わせます。ハンドルを切った方向に光軸が左右に大きく移動するギミックも独創的でした。
翌日、京都運輸支局車検コースで各検査セクション合格し、2年間の車検証有効期限が与えられました。
タイミングベルトやブレーキなど、まとまった費用が必要なメンテナンスについては、今後適切な時期にお知らせいたします。
この度は作業のご依頼誠にありがとうとうございました。
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