アルファ156です。前回から足回りの異音を修理する過程で、少しずつ新車のときのサスペンションに戻しつつある車両です。お客様と入念な打ち合わせをし、またご協力をいただいて一つ一つのパーツの効果を確かめながらリフレッシュしています。
アルファロメオ 156 V6 2.5 E-932A1 6MT 走行距離82,000km
一つ組んで試運転、またバラし、さらに一つ組んでは試運転 を繰り返します。苦労の甲斐あって不具合とその原因、そして、リフレッシュしたときの効果がわかるようになりました。
今回はリアのショックアブソーバの交換です。駆動軸や重量物のあるフロントと違って、追従する側の車軸ですから劣化があっても体感しにくい場所です。お客様は特に不満をお持ちではありませんでした。
取り外したショックアブソーバです。
片側は封入ガスの「抜け」が見られ、押し込んだピストンロッドが完全に戻りません。
そして前回のフロント同様、モンローのリフレックスを組みます。
組み上げて試運転しますと、個々の足は確かにしっかりしたのですが、前後のサスペンションの狭間でフロアパネルが弓なりになっているのでしょうか?嫌な「しなり」をお尻に感じるようになりました。この波打ちはお客様にも試運転いただき、はっきりと感じていただきました。
そこでもう一度サスペンションを見ます。以前から気になっていたストラットタワーバーです。
純正では装着されていない矯正具です。さて、どんな効果があるというのでしょう?
ボディーは全体的にしなりがあり、バランスが大切です。ましてそれを意識して設計されたボディなら尚更です。
取り外し試運転。
驚くことにフロアーパネルの波打ちが完全に解消されました。
詳しくは判りませんが左右のフレームが独立して「しなる」ことで歪が分散するようなイメージでしょうか?アルファ156に関しては余計な改変は不要のようです。
この後、タイヤをミシュランのPilot Sports 3 に新調して、近くの峠道にお客様と試運転に出かけました。
新品タイヤはいいですね。落ち着きの無かったステアリングがしっとりと直進を保ってくれます。
駐車場などでは小回りの利かない156ですから、鈍重なんだろうなと、先入観をもって峠道に持ち込みましたが、意外にもノーズの入りが軽快で車のサイズが随分小さく感じます。トルクのある2.5リッターのエンジンはどの回転域からもスムースに加速します。アルファロメオがハンドリングマシンであることを再認識しました。
昔、国内ラリーでドライバーをしていた頃を思い出し、すっかり興奮してしまいました。
お客様と一緒に盛り上がり、気がつけば深夜の1時(汗)。大変お疲れさまでした。高速道路を主体にお使いとのことですから、その後のドライビングの感想をお聞かせいただけたらうれしいです。
↓僕も読んでいるメンテナンスブックです。アルファオーナー様におすすめの書籍です。
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カクシカおじさん says
こんばんは。先日はお忙しいときにいきなり立ち寄らせていただいておじゃましました。今日ようやくバックドアが交換された我がコンテくんが夜に無事帰ってきました。
もうずっと仕事が忙しくなっているため自分でする暇がないので、引き取りに行った指定工場で代車の返却と冬用タイヤへの交換も同時に行いました。
先日、お店にお伺いしたときに乗っていた代車、ムーヴカスタムG(アイドルストップ付きのNA車)ですが、夏用タイヤのため雪が降ったらどうしょうとずっと不安でしたので、これで一安心です。
ひと月近く乗っていたムーヴ(カスタム)はフロントガラスが大きくて前にせりだしているせいか、非常に曇りやすいのには閉口しましたよ。冬場でも常時エアコンは必須です。
しかも室内も広いせいなのか、暖房が効きにくいのも正直驚きました。
まあ当方のコンテカスタムは2WD車ながら寒冷地仕様なので、フロントシート下にリヤーダクトの排出口があるので暖まりやすいのかもしれませんが、ムーヴ(カスタム)の早朝の一人乗車では、暖房は手動で最強にしても寒いです。
しかも新型ムーヴはボタンも押しにくくなっているのも欠点です。
ところで当方のブログのページに、こちらのリンクを貼ってもいいでしょうか?
たけし says
カクシカおじさん様
こちらこそ何もお構いできなくて申し訳なく思っています。
次回お越しの際は、是非事前にお知らせください。
リンクの件、大歓迎です。
こちらにもリンクを貼らせていただきます。
L502Strxx says
お疲れ様です。いつもいつもしゃしゃり出て申し訳ありません。
新しい記事を楽しみにしていました。ショックアブソーバー交換後一週間にして時間が取れ、昨夜1時半まで試運転しました。たけしさんの仰るように、疲れにくいです。スピードが出ていることを感じないです。
疑問に思ったのですがショックアブソーバが新しいうちにしてはいけないことを教えていただきたいです。(慣らし運転期間中)反対にショックを痛める乗り方もご教授ください。
たけし says
L502Strxx 様
年末はスタッドレスタイヤ交換の仕事が頻繁に入るため、落ち着いてしないといけないような仕事がどうしても深夜になってしまいます。
記事の更新が滞り気味ですね。今回の記事は少しの合間を見つけて書き上げました。
楽しみにしていただいているようで光栄に思います。
さて、ショックアブソーバの扱い方(付き合い方?)ですが、僕は取り付け前にフルストロークを10回程度しています。
随分前に教わった方法で、いいのか悪いのか判りませんが、何度か動かすと手応えに変化が出て、内部の機構が安定するような気がします。全く意味のないことかもしれませんが、しないで組むと落ち着きません。
組んでからは特に気をつけることはないと思います。僕は組み付け前の儀式が慣らしと思ってます。昔はいきなりグラベルに持ち込みガンガン使ってました(笑)
新品のしなやかさを十分堪能してドライブを満喫して下さい。新品でしか味わえない楽しさがあります。
劣化は突然来る場合も、徐々にくる場合もあります。いずれにしても乗り心地として体感できると思います。
L502Strxx says
コメント返信ありがとうございます。
毎日拝読しています。僕はたけしさんのブログをチェックする楽しみが増えましたし、距離があり、こんな素人にでも真摯にコメントいただけるのが僕は嬉しいです。地域柄でしょうか、スタッドレスタイヤの需要があるのですね。年中サマータイヤの自分の地域では僕にはとても新鮮に感じます。
ショックの馴染ませ等=大変参考になりました。
ショックアブソーバー、しばらくの間接地時間もあり多少は走行もしているので(これ単体は口実かも知れません)、もう安心して今晩か明日か明後日か長距離ドライブで好きなところを走ってきます。(ショックのためにあえて走らなかったので)
嬉しい話ですが、母が自分の車を乗りたがらず、さらには軽自動車なのに普通車みたいと言っています。これが契機で(?)来月は母と和歌山か三重県へ行ってきます。
今のL502Sがなかったら恐らく、たけしさんのブログにも出会ってなかったことを思うと、楽しい車です。
色々と嬉しくて興奮気味ですがお許しください
池ちゃん says
もう84000キロ
アルファロメオに対してもっていたイメージがどんどん変わっていくのに驚いています
昨年8月頃に車を持ち込んで以来
たけしくんのおかげで車趣味の愉しさを再確認しています
足回りを修正/回復する過程で適切な提案と的確な修理をしていただいて車の佇まいがキリリとしました
このアルファロメオは決してコンクールコンディションではないですが手厚いメンテナンスで本来の性能と乗り味を楽しませてくれます
中古の車両と海外から取り寄せた部品と整備費用を全て加えてもスズキキャリー2駆の新車価格程度です
至福のハンドリングと聞き惚れる音
駐車場で見るたびに目に飛び込んでくるデザイン
それに実際に買ってみて分かったランニングコストの意外な安さ
「泥沼のエンスー車」「長期入院車」「金喰い虫」ではありません
この半年で62000キロから84000キロまでオドメーターは数字を刻みました
路上で止まるようなことはありませんでした
(赤いライトを隠し持った車には一度停められましたが)
京都にいる時でしたら車はいつでもお見せします
たけしくんにお尋ねください
たけし says
池ちゃんさん
大変うれしいコメントありがとうございます。
僕自身もアルファロメオに対する認識に随分変化がありました。
先日の高速道路でのテストドライブは、峠とはまた違う味わいでとてもたのしかったです。
ハンドリングの正確さと安定性は、自分の運転がうまくなったんじゃないかと錯覚するほどでした。
また、室内に入ってくるエンジン音が市街地とは全く違っていたのに驚きでした!
そう高回転まで引っ張っていないのに減速時に奏でる絶妙な排気音。
池ちゃんさんが、アルファロメオは音も部品ですからとおっしゃるのがわかります。
いろいろ勉強しながらお手伝いさせていただきますので何卒よろしくお願いします。