2020年に入って半年足らず。
未知の病原体が世界中に蔓延し、生活や周りの景色が一変しました。
そんな混乱の中、人間の活動が盛んだったつい先日と比較して、空気の美味しさを実感する毎日があります。
特に晴れの夕暮れ時、西の空の鮮やかなグラデーションは、京都では見られなかった光景です(2020年4月25日、於:千本上立売)。
大気汚染がこれほど短期間・迅速に解消されるのに驚きましたし、35年患っている花粉症の症状が全く出ない春も感じられて、悪いことばかりではありません。
世界で起こっている現実を咀嚼し、いつか共存の時期が訪れるまで、逆らわずに過ごせればと思います。
さて、『永久にこのクルマに乗りたい』と、30万キロ目前に迫ったトヨタ ヴィッツにお乗りのお客様から、主要部品の交換を承りました。
平成15年式 UA-SCP10 1SZ-FE 5MT 走行距離 295,000km
中古エンジンと中古トランスミッションの同時交換です。
元気に安全にご自身が運転できる年齢までを想定して、折り返し点で交換しましょうと2年前にご提案しました。
2018年の春(走行距離約25万キロ)の定期的なエンジンオイル交換時、今まで全く減少傾向の見られなかったエンジンオイルに、突然500mlの減少を確認しました。
新車から良質のエンジンオイルを定期交換していましたが、1000cc量産エンジンのノーオーバーホール使用は、この辺りが限界かと思いました。
そして、ちょうどその頃、丸山モリブデンベースパワーに出会います。
幻の添加剤を注入してみた(丸山モリブデン ベースパワーEX250C)
この添加剤は、非常に分散性に優れた二硫化モリブデン粒子懸濁液です。エンジンオイルとの比重差が5倍以上もある金属粒子が長期間沈殿しない現象は全く不思議でした。
当初、2018年夏頃に今回のエンジン・ミッション同時交換を計画していましたが、丸山モリブデンベースパワーを添加してから、エンジンオイル減少傾向が緩やかになり(500ml減少→300ml減少で安定)、エンジン各部からのエンジンオイル滲みがほとんど止まり、そして何より凄くエンジンの調子が良くなったのです。
不思議な効果の丸山モリブデンを検証することに1年半(走行距離4万5千キロ)お付き合いいただきました。
次のエンジンには早期から添加してみることにします。
どこまで耐久するのか楽しみだったクラッチディスクは、ご覧の通り。
操作の仕方もありますが、30万キロ近く走行して、残り溝がまだあることと、
ダイヤフラムスプリングの先端部(レリーズベアリング接触部)の摩耗がほとんどないことに驚きました(アイシン製トヨタ純正)。
そして、耐久性を確認していたトヨタ純正の補機ベルト。10万キロ走行時に初めて交換した時、ほとんど劣化していませんでしたので、一体どこまで耐久するのか気になりました。
10万キロ走行時に交換した2本目のベルトを、点検しながら30万キロ走行近くまで(すなわち約20万キロ)使いましたが、ご覧の通りひび割れも摩耗もありません(バンドー製トヨタ純正)。非純正ベルトとの差が開く一方です。
ラジエータは、アッパータンク内部に変色があるものの、約30万キロ耐えました(デンソー製トヨタ純正)。
ウォーターポンプは10万キロ毎の交換です(アイシン製トヨタ純正)。こちらは10万キロ程度でグロメットからクーラントが滲みだすことがあります。
劣化が見られないわけではありません。このように特に黒色のコネクタ部品は熱の影響で随分脆くなっていました(住友電工製。トヨタ純正部品にコネクタハウジングのみの供給があって助かりました。)。
そして、消耗(破損)パーツはすべてトヨタ純正で置き換えて、エンジン始動。
新車の時のような滑らかなエンジン音と、ミッションギアの軽いフィーリング。
数年放置のエンジンには、良質の100%化学合成油 MOTUL 8100 X-cess 5w40 に、丸山モリブデンベースパワー GX200(ギア用ですが主成分濃度が高く、エンジンオイルに添加しています)を添加し、試運転の数十キロの間、みるみる力強さが増してきました。
あと20年、20万キロを快適にドライブできるようお手伝いいたしますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。