車齢13年 2回目のショックアブソーバ交換を控えたラパンは走行距離が13万キロを超えました。
平成21年式 CBA-HE22S K6Aターボ CVT 4WD 走行距離 132,000km
走行距離約9万キロでほんの少し発生し始めたエンジンオイルのにじみは、話題の添加剤 丸山モリブデン関西地区限定仕様 GX200の不思議な作用で全く気にならなくなり、多走行の軽自動車にありがちなオイル消費もありません。
10万キロを超えた今、エンジンの調子が最高潮ではないかと思います。
さて、こちらのラパンは約6年前、走行距離6万キロ時に足回りのリフレッシュを行いました。
クルマのキャラクターとショックアブソーバ 2(スズキ ラパン CBA-HE22S, 乗り心地改善)
コンパクトな軽自動車にシャキッと引き締まった足回りを狙って、少し減衰力の高いショックアブソーバ、KYB NewSRスペシャルをチョイスしました。
KYBのアブソーバは非常に耐久性に優れていますので、大きな性能の変化を感じずに7万キロほど走行されましたが、車検を機会に足回りを再リフレッシュすることにしました。
KYB ショックアブソーバー NEW SR SPECIAL 1台分 4本セット ラパン HE22S 08/11~ 1~2型 G/X/T FF/4WD 品番NS-54141106
リフレッシュのメインは同じKYB NewSRスペシャルの新調ですが、今回は新たな試みとしてコイルスプリングの仕様変更を行います。市販品にはないタイプを求めていますので、懇意にしていただいているサスペンションプラスさんに特注品の設計製作をお願いしました。
走行性能向上第一で、縮み側ストロークを増加した若干のリフトアップ品を依頼。
過度なリフトアップは重心が高くなって不安定になりますが、適度なアップはサスペンションの容量が増したような懐の深さが出るはずです。4WD車らしいキャラクターにもマッチして外観的にも〇ですね。
さて、
サスペンションプラスさんの一番すごいと思うところは、特注依頼がとてもシンプルなことです。
ワンオフスプリングの製作請け負い業者は他にもあるでしょうが、詳細なスペックをこちら(依頼者)側が提供しなくてはいけません。
僕はコイルスプリングの専門家ではありませんから設計はとても難しく、トライ&エラーの連続で目的の仕様に到達するまでにたくさんの時間や費用を浪費するに違いありません。
今回のオーダーも「乗り心地重視で15mmアップしてください」というリクエストのみでした。※1
特注スプリングはカラー見本から塗色が選べます。お客様と相談の結果、ボディーとのコントラストの強いホワイトとし、オプションで防錆効果の高い亜鉛(ジンクパウダー)塗装を併せてお願いしました。
フロント側、ノーマルとの比較です。
巻き数は半巻多く、上端1巻きが狭い線間になっているのが隠し味なのかなと思います。
続いてリア側です。こちらも両端部に狭い線間部がありますね。
フロント、リアとも設計いただいたスプリングレートはノーマル比でわずか高め。
乗り心地重視はレートを低くするイメージでしたが、サスペンションプラスさんは、その逆のご提案でした。単にレートだけではない設計全体のバランスが大切なのでしょう。
7万キロ使用したKYB NewSRスペシャルは、オイル漏れはなかったものの内部ガスの「抜け」がありました。左右差はもちろん、新品と比較するとロッドの反発力に差があります。
アッパーマウントやスプリングシートなど、同時交換する消耗部品と共に組付けます。
車高(サスペンションアームの静置状態角度)に変化がある今回の足回り整備に限ったことではありませんが、1G締め付けはとても大切なプロセスです。慎重に行ったのちにアライメント確認・調整を行います。
しばらく走行すると各部が馴染んで車高が数ミリダウンすると思いますので、依頼通りのアップ量に落ち着きそうです。
イメージのスタイルを得て早速試運転。
以前のノーマルスプリング+ KYB NewSRスペシャルの組み合わせも軽自動車らしいコンパクト感がとてもよかったのですが、今回の仕様は、一変して軽自動車らしからぬ上質で重厚な乗り心地。この特別仕様に『ラパンクロス』と流行りの名前をつけたくなりました。
お渡し後のお客様の感想が楽しみです。
※1. 但し、サスペンションプラスさんによる現車計測、ノーマルスプリング単体の提供が必要です。
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