法定12か月点検でお預かりした日産ピノ(スズキ アルト OEM)のオーナー様とは約7年のお付き合いになります。
身丈にあったクルマで、キビキビと軽快に運転を楽しみたいと、今では数が少なくなったマニュアルミッションを選択されました。
平成21年式 DBA-HC24S K6A(NA) 5MT 走行距離129,000km
7年前、乗り心地改善のためにショックアブソーバ(KYB NewSRスペシャル)を装着し、高剛性ボディー+マニュアルミッションの組み合わせの軽量車は、特にエンジン過給などの出力向上装備がなくても、すべての動作が軽くて「塊感」のあるバランスを得ました。
クルマの本当の魅力は、例えばこのような軽自動車のマニュアルミッションのように簡単に手の届く位置にあります。
先入観が邪魔をして案外クルマ好きには見えにくいもので、つい背伸びしたクルマ選びになりがちですが、偶然、軽の魅力に触れたりすると、小さくて軽いクルマに乗るのが何より楽しくなるのです。同業者に小さな軽自動車が一番好きという方が多い理由かもしれません。
先日、走行距離11万キロ時に2回目になるショックアブソーバ交換をマウンティングパーツ交換と共に実施し、真新しい感覚が戻りました。
KYB New SR から KYB New SR へ(日産 ピノ DBA-HC24S ショックアブソーバ交換)
まずは20万キロ走行を目指しましょうと、定期点検とメンテナンススケジュールを相談し、今回は少しフィーリングに変化を感じ始めたクラッチ交換をすることにしました。
トランスミッションや駆動系を取り外し、エンジンの末端に取り付けられたクラッチ部品を見ると、オーナー様の丁寧なクラッチワークがわかります。
摩耗限界までは少し早い感じですが、ダイヤフラムスプリング先端の摩耗はそれなりに進んでいましたし、クラッチの遊び調整も残りがわずかになってきていましたので、良い時期だったと思います。
一番驚いたのは、レリーズベアリングが新品時と変わらないスムーズさで回転することでした。お一人で運転されていることがその理由の一つですが、愛車をいたわるオーナー様の丁寧な操作が伝わってきます。
そして、新しいクラッチを組み付けました。
その他の状態は概ね良好だったのですが、点検の過程でエンジン始動に少し時間がかかるとき(クランキングが長いとき)がありました。
スロットルボディーのバタフライ内部のカーボン堆積が原因のようです。
カーボン堆積を防ぐには、ハイオクガソリンの常時注入が一番よいのですが、燃料価格は大きく変動しますので、時々良質の燃料添加剤を入れるのがいいかもしれません。
今回の点検で、走行20万キロまでの道筋が見えてきました。日本の工業製品は例え小さな軽自動車であっても、本当にによくできていると感じます。融雪剤散布地域でない限り、メンテナンス次第で半永久的に新車時の状態を保てるのです。
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