例えば、アルファロメオ(+ξ)の直列4気筒ツインスパークのタイミングベルト交換時期は、オーナーズマニュアルに65,000kmもしくは4年のどちらか早い方という記載があります。
ツインスパークの載る個体は、もはや動体保存の色合いが濃くなってきていますから、これからは4年間で1万キロも走行しないかもしれません。
積極的に通勤などで使用しているオーナー様は、マニュアルに記載のある推奨距離・年数の中間をとって、4万キロ毎に交換されている例が非常に多いと思いますが、経年や保管環境も重要と感じた事例が、今回の3代目パンダのタイミングベルト交換です。
平成26年式 -13909- 169A4000 5MT 走行距離 57,000km
僕はタイミングベルト交換の時期は、基本的にオーナー様にお任せしています。
車齢6年、走行距離6万キロ弱で初のタイミングベルト交換の実施です。
先日のアルファロメオ Mitoと酷似するベルトレイアウトで、クランクプーリーの固定に使用するSST(特殊工具)も共通です。
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参考記事:イタリア車のタイミングベルトに臨む(アルファロメオ ミト イモラリミテッド)
パンダの元々装着されていたテンショナーのインジケータは適正張力を示すインジケータにほとんど変化がありませんでした。
外観に変更があった供給純正部品は張力調整のSST(特殊工具)が掛けやすい形状になっていました。
Mitoは車齢11年、走行距離5万キロ弱での交換でした。ベルトテンショナーに緩みがあったものの、ベルト自体の状態は非常によく、もう少し交換を先にしても大丈夫かなという印象をもったほどでした。
ところが、今回のパンダのタイミングベルトは御覧のとおり、ベルト背面に無数のひび割れが確認できました。
ベルト背面の劣化は、ベルト全体の劣化を反映します。
2台の違いは保管環境です。Mitoは屋内駐車に対して、パンダは屋外。
国産自動車と違って、フィアットエンジンのタイミングベルトカバーには強い密閉性がありませんので、高湿度で寒暖差の激しい日本国内では、空気中の水分がベルト劣化に大きな影響を与えるのかもしれません。
定期点検時には少し時間を掛けてタイミングベルトの状態を目視で点検する必要がありそうです。
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