「車が前にも後にも動かない。」ということで,引き取りにいくことになった,日産 キャラバン
KG-VWGE24 平成9年9月式 走行距離66,000km 5MTです。
主に工場の構内で,重い荷物も載せることなく走行を重ねてきた車です。
現地に到着して症状を確認します。
エンジンは良好です。
クラッチペダルのフィールも悪くありません。
しかし,どのギアを選択してもまったく動力が伝わりません。
どこかで空回りしているのですね。
積載車に載せて工場へ運びます。
とりあえずトランスミッションを下ろしました。
トランスミッションを外側からチェックします。
各ギアで,インプット~アウトプットの動力伝達が確認できます。
トランスミッションは問題なさそうです。
次にクラッチです。
クラッチカバーを取り外し,クラッチディスクを観察します。
しかし,これと言って異常が見当たりません。
じゃあ,どこで動力が断絶されているのでしょう???
空回り時,異音がしますので,どこかが損傷しているのですが行き詰まってしまいました。
休憩を取って,改めてクラッチ付近を眺めました。
ちょっと見慣れない形をしたフライホイールです。
そうです!
トーショナルダンパー内臓のフライホイールです。
ディーゼル車では,当たり前のように使われている構造ですが,すっかり忘れていました。
フライホイールを外して確認すると,ダンパースプリングが見事に折損しておりました。
初めての故障事例でした。