車検で入庫した平成14年式 スズキ ラパン UA-HE21S K6A 走行距離38,000km。
今回初めてお預かりしました。受付時、ユーザー様からは、近頃走行中とてもうるさく感じられるようになったのでよく点検して欲しいとの依頼を受けました。リフトアップの前に試運転します。
これはたしかに酷い音ですね。後方からの音ですので、ハブベアリングの損傷に間違いなさそうです。リフトアップしてタイヤを空転させますと左のベアリングがゴロゴロと異音を発してます。
さて、この年式のスズキ軽自動車のFFは、リアブレーキを点検する際にリアハブのロックナットの締結を解く必要があります。その前にベアリングキャップを外すのですが、ベアリングキャップがひどく変形しています。
前回の車検整備で装着時にこのような状態にされたのでしょうね。ベアリング損傷していた側のキャップを外すと、内側に水滴がつき、錆が発生してました。
キャップの淵には、マイナスドライバなどを無理に差し込んで外そうとしたのでしょうか、深い傷が何箇所も付いてます。気密が悪くて水分が進入した可能性が高いですね。
反対側のキャップも酷い状態でしたので、ベアリングとキャップは両側とも新品に交換しました。一度整備されたスズキ車にリアハブベアリングの損傷が目立つのは気のせいでしょうか?
適切な工具でキャップの脱着、規定トルクでのロックナットの締結が基本です。
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オートフレンズ says
はじめまして、この内容を読んでいて思い出したことがあります。
先日、スズキ販売店向けのサービス講習会でリヤホイールベアリングのオーバートルクによるベアリング損傷ならびに異音の発生事例が紹介され、無知な整備工場による過大な締め付け(インパクトで強引に締める!)でベアリング交換が頻繁に発生したそうです。
しかも車検後半年以内のスズキ車全部だそうです…
困ったものです・・・
たけし says
オートフレンズさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
すばらしいお店をお持ちでうらやましい限りです。
さて、他工場で手を入れたれた損傷ベアリングの修理は今まで何度もあります。
また、最近はプリロードが小さく設定されているベアリングも出てきているようで、一層トルク管理が重要になりますね。
ハブナットの締結にインパクトを使わないようにもっと徹底した周知が必要だと思います。
オートフレンズ says
こんにちは、こちらこそコメントありがとうございます。
インパクトは緩める場合はよしとしても、締め付けはNGですよね。
日整連の技術情報にも過去に注意点が掲載された車種があります。
ホンダのアクティ、バモスもそうです。
インパクトですと見かけのトルクだけで締め付けられて、
スプライン勘合部まできちんと挿入されないこともあるようです。
メーカーマニュアルではタイヤを接地した状態で輪留めを行い、
トルクレンチにて締結が基本となっています。
また整備のヒントなどありましたら情報交換しましょう。