走行距離がちょうど10万キロに到達し、指定されたタイミングベルトの交換時期になったスバル インプレッサ WRX STi を車検整備でお預かりしました。
平成14年式 GH-GDB EJ20ターボ 6MT 走行距離 100,000km
ボクサーと呼ばれる水平対向エンジンは、ピストン・シリンダが水平に2気筒ずつ左右にレイアウトされています。ボンネットフードを開放すると、赤いインテークマニホールドやインタークーラー、エンジン補機がエンジン上部を占領していてエンジンのコアはほとんど見えません。
さて、タイミングベルトにアプローチするため周辺パーツを順番に離脱します。まずはラジエータを外し…
次にタイミングベルトカバーを外すと、エンジンルームの端から端まで複雑に屈曲するタイミングベルトが現れました。
ベルト背面に一箇所大きな欠損がありました。異物が噛みこんだのでしょうか、損傷が波及せずによかったと思います。
タイミングベルトで駆動されるウォーターポンプは同時に交換します。
過去にクーラント管理を怠っていた痕跡がホースジョイントの腐食やサーモスタットパッキン周辺の荒れ具合で推察できます。2年毎にクーラントを全量交換している車両は、決してこのような腐食がないからです。
インペラにも浮き錆がありました。
そして新品のウォーターポンプを装着しました。
長大な水平対向ツインカムエンジンのタイミングベルトは装着に少しコツが要ります。それは装着順序だけのことで、他の国産車同様、合いマークに従って組むだけで面倒なタイミング調整は不要、ベルト張力も油圧のオートテンショナで調整不要です。高精度な部品で構成するため、生産時の組み立て調整コストが大幅に削減されます。
取り外した部品を全て装着すると、タイミングベルカバーすら見えにくくなりました。
新品のベルトでバルブタイミングが適正に近くなったのでしょう。静かなアイドリングの排気音に、力強さが強調されたスバルサウンドがリフト周辺に心地よく響きました。
車検整備は続きます。
次回『水平対向のスパークプラグ交換(スバル インプレッサ WRX STi GH-GDB 車検整備)』
↓モータースポーツユースでは、純正品以外に選択肢があるようです。
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ただ says
このたびは車検ありがとうございました。
購入してからずっと不満があった、セカンドギア時のアクセルOFF/ON時の挙動がかなり改善した気がします。
あとアイドリングもより静かに。
こうやって整備するたびに買ったときより確実にいい感じになっていくとなかなか手放せなくなっていきますね。
たけし says
たださん、こちらこそいつもありがとうございます。
セカンドギア時の挙動のギクシャク感の改善は、タイミングベルトの張力に起因していたのかもしれませんね。あれだけ長いベルトですから、特に低回転のアクセル操作で「暴れ」が出て、トルク伝達がうまくいってなかったのではないかと考えていました。
バランスの良いレイアウトの機構と、当時の独特のスバルサウンドは魅力が満載です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。