消えない高速道路走行時の微振動(フォルクスワーゲン ゴルフⅥ ABA-1KCCZ ホイールバランス調整)

ブリヂストン ポテンザからミシュラン パイロットスポーツ3に交換してから、乗り心地は改善したが、高速走行時にハンドルに微振動が出るとのご相談です。

フォルクスワーゲン ゴルフ 平成21年 ABA-1KCCZ CCZ 7DSG 走行距離 79,000km


ガソリン満タンでETCカードもセットいただき、早速高速道路へ向かい現状確認します。

料金所を抜けてアクセルを踏み込むと、7速DSGは、レーシングドライバーが慣れた手つきで操るシーケンシャルシフトの如く、高回転を維持しながら小気味よく力強い加速を魅せます。

そして瞬時に目的の速度に達し、確かにハンドルとシートに微振動を感じました。店に戻って現状のタイヤ&ホイールの重量バランスを計測・調整しましょう。

しかし、4輪ともテスター上では重量アンバランスはありません。計測器の精度確認のため、写真のようにダミーウエイトを貼り付けて、ダミーと同じ重量アンバランスが出るかを確認して、重量バランスには問題ないとしました。

装着されていたタイヤは225/45R17のスペイン製。ミシュランは世界各国に製造拠点があるそうです。

僕はハイウェイシミーの原因のほとんどがタイヤ・ホイールに起因していると考えています。特に今回はタイヤ交換後に発生していますので、タイヤ、またはその組み方が原因の可能性が高いでしょう。

ラジアルランアウト(RRO)という指標があります。無負荷時に回転軸からタイヤ外径がどれだけ変位するかPeak to Peakを計測します。もちろん、ラテラルランアウト(LRO)という横振れの指標もありますが、路面からの影響を受けやすいラジアル方向に焦点を当てます。

ホイールバランサにはホイールハブ中心にコーンを宛がう方法で4輪とも計測。大きいもので約1mm、小さいものでは0.3mmほどの変位です。最も大きいラジアルランアウトのタイヤホイールが運転席に一番近い右前に装着されていました。1mmというと、タイヤ外径と比較すると小さいように感じますが、ホイールバランサで空転させるとその振れの大きさがよくわかります。

次にタイヤを取外し、ホイール単体のラジアルランアウトを計測します。こちらは4輪とも約0.2~0.3mmとタイヤ装着時と比較して少ない数値です。

本当は、路面からの力を考慮して、タイヤの剛性の高いポイント(いわゆるユニフォミティマークがあるポイント)を探りたいのですが、計測する手段がありませんので、タイヤ外径の大きな場所と、ホイール半径の小さい場所をマッチさせて組み替えてみることにしました。重量バランスも取り直し、ラジアルランアウトの小さい2本を前輪に、一番大きい1本を左後輪に配置、再度高速道に持ち込みます。

随分振動は軽減されましたが、微妙に残り、これが僕の出来る精一杯の調整です。このタイヤが磨耗しましたら、是非、当方で手配したタイヤをお試しください。調整後のご感想をお待ちしております。

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